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長いたび [劇団のこと]

1年前、この作品がこれっぽっちのカケラもなかった頃、
まずはとにかく死ぬ気で公演タイトルを振り絞り、
浅草九劇で『十二階のカムパネルラ』という作品を上演することを決め、
その後、春ごろになっても「宮沢賢治」と「浅草十二階」というキーワード以外、
いまだ概要も何も定まっていなくて、
不安な気持ちいっぱいで岩手県の花巻へ飛んでいきました。
4日間、ほんと馬鹿みたいに花巻じゅうをまわって、
この土地の空気を細胞に染み込ませました。
だからといって、すぐに構想の詳細が組み上がるわけでもなく、
7月の公演を乗り切りつつ、闇の中を独り歩く日々が続きました。
前回公演が終わると、すでにこの公演の稽古はすでに目前に迫っていて、
僕の今年の夏は、いま思うとほとんど記憶がありません。


今回の物語は、宮沢賢治さんとゆかりの深い
高瀬露(たかせつゆ)さんを主人公にさせてもらいました。
この方は昭和45年までご存命だった実在の女性で、
そのような方を描くわけですから、ファンタジーの物語とはいえ、
勝手気ままに書くなど許されることではありません。
その責任が僕の心にずっしりと乗ってきて、
正直今回ばかりは「ダメだ」という思いが日に日に大きくなり、
自分が今年の年末に存在しているイメージがまったくできなくなっていました。



そんな1年を過ごしてきて、今、こうして仲間とともに稽古最終日を迎えたことを、
ちょっと信じられないような、そんな思いに包まれています。


脚本と戦っている時、僕はただただ孤立感のさなかに追い込まれていましたが、
気付けば、仲間たちやあるいは見えない何かに導かれていた日々でした。
今回の脚本には、自分自身が書いた記憶がないくだりが登場します。
それから僕が眠っている時に夢のなかでもらった台詞もあります。


そんなふうにして生まれた物語を、俳優陣・スタッフ陣が心から愛してくれました。
10月1日の稽古初日から不思議なしなやかさを纏った稽古場で、
みんなの慈愛に包まれながら、まるでいきもののような作品に成長しました。
もはや自分が書いた作品、という実感さえありません。
むしろ僕自身がお客さんに近い感覚でこの公演の本番を楽しみにしている、
今はそんな気持ちでいます。


とにかく、役者たちですよ。

シアターキューブリックの舞台は、音楽も照明もダンスも衣裳も力を入れていますが、
やっぱり舞台の魅力は役者たちなんですよね。
14人の役者たちが、宮沢賢治さんも求め続けた「ほんとうのしあわせ」について、
呆れるくらいに追い求め、舞台上で輝いています。
その姿をこそ、とにかく感じてほしいです。

一週間後には銀河の彼方へ消えてしまうこの作品。
どうか、あなたの目で見届けてください。
かつて浅草十二階が建っていた目と鼻の先、浅草九劇にてお待ちしています。

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誇れる14名の役者群。僕の自慢。


********公演情報********
シアターキューブリック 2018クリスマス公演
『十二階のカムパネルラ』
作・演出 緑川憲仁
♪メインテーマ 岡村孝子「世界中メリークリスマス」

2018年11月21日(水)~25日(日)

会場 浅草九劇

宮沢賢治の代表作のひとつ『銀河鉄道の夜』は、
もう二度と会えない友、カムパネルラをめぐる心の冒険物語。
もしも、そのカムパネルラが賢治だったとしたら......。
大正から昭和にかけての賢治の故郷・花巻と、
浅草十二階と呼ばれた巨塔そびえる浅草を舞台に繰り広げられる、
大正浪漫躍るクリスマスファンタジー。
十二階のカムパネルラオモテ面.jpg
十二階のカムパネルラ裏面.jpg
役者群
高橋茉琴 片山耀将 谷口礼子 千田剛士 榎本悟
眞実 今氏瑛太 金田理佐子 坂本実紅 佐藤沙予
品川ともみ 千葉太陽 鳥居きらら 藤井優海

上演時刻
21日(水)19:30 完売間近!!
22日(木)19:30 お急ぎください!
23日(祝)14:00 完売間近!!
      19:00 お急ぎください!
24日(土)14:00 完売間近!!
      19:00 お席あります!!
25日(日)13:00 お急ぎください!
      17:00 完売間近!!

※開場は開演の30分前です。

観覧料
4,500円(税込・全席指定)
当日 4,800円
学生(大学・専門学校生以下) 2,500円 ※要学生証
※未就学児の観劇はできません。



会場
浅草九劇 <東京都台東区浅草2-16-2 2階>

つくばエクスプレス「浅草駅」徒歩3分
東京メトロ銀座線、東武スカイツリーライン「浅草駅」徒歩10分
東京メトロ銀座線「田原町駅」徒歩10分
都営浅草線「浅草駅」徒歩13分

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舞い降りた瞬間 [劇団のこと]

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『十二階のカムパネルラ』本番を一週間後に控え、稽古もいよいよ佳境。
今週からは戦場をスタジオへ移し、より劇場に近い環境で詰めの格闘をしています。

今回の作品は、宮沢賢治さんの世界観をモチーフにしつつ、
賢治さん周辺の人物たちに焦点をあてたクリスマスファンタジー。
ファンタジーと標榜しながらも、実在の人物が登場します。
高橋茉琴演じる主人公の高瀬露(たかせつゆ)さんもその一人。
シアターキューブリックでは、これまでも戦国時代の作品をはじめ、
実在の人物が登場する物語をいくつも上演してきました。
関ケ原での武将隊のお仕事では、俳優たちとともに長期赴任して、
古戦場を舞台に、地域振興とエンターテインメントを掛け合わせた活動を行いました。
ゆかりの場所を足で歩き、肌で感じて、取材を重ね、
墓所が分かる方に関してはお墓にもご挨拶に行く、
というのは僕の創作活動の基本中の基本。
今回もあらためて岩手県の花巻へ行き、
自分の細胞に作品の萌芽を埋め込むべく歩きまわりました。


作品にどれだけ魂を込められるか。
自身がどれだけ実在した方々の代弁者たり得るか。
娯楽であると同時に、演劇は奉納でもあります。
代弁せんとする心、一度もお会いしたこともない彼らに寄り添う心。
この心を磨き上げることが稽古場での大きなミッションのひとつです。



集中稽古4日目の今日、作品中の重要なシーンで、
遂に作家・演出家の手を離れ、羽ばたいた瞬間がありました。

俳優たちが目に見えない糸をさがして、さがして、
初めてその糸を手繰り寄せた瞬間を目撃しました。
長く作品づくりをしてきましたが、幾度もあることではありません。
なんとも言えぬ、しあわせな、であるのに、ひどく淋しい、
大きな宝の獲得と喪失を同時に味わう、不思議な瞬間です。


目に見えぬ糸を手繰り寄せることができる俳優は、
きまってガラスの器のように透明で、
演技に関するダメ出しの時間も、僕自身、他者と言葉を交わすというよりも、
しばしば自問自答をしているような感覚にとらわれます。
透明なこころで作品に身を委ねる覚悟が据わっていればこそ、
今度は劇場でその俳優の演技を観た観客と、
ふたたび目に見えぬ糸で繋がることができる、
「演劇の奇跡」とはそういうことだと信じ続けてきました。

カムパネルラリーフレットとあみん.jpg

思えば、今作品のメインテーマ音楽『世界中メリークリスマス』のアーティスト、
岡村孝子さんの音楽や詞もまた、その透明なこころが、
多くの人のこころと共鳴し、僕もそこへ辿りついた、そんな感覚があります。
その音楽から作品イメージを膨らませた『十二階のカムパネルラ』。
脚本を書き上げた今となっては、残り僅かな日々を演出家として、
いかに透明なこころで「人間の真理」に挑めるかどうか、
それが僕の唯一の役割だと考えています。

自覚的、無自覚的問わず、さまざまな人間の美醜が溢れた稽古場です。
人間たちの「ほんとう」の姿を、できるだけかき集め、
そして一つの作品として投映させたいと思っています。

浅草の劇場にて、皆様のご来場をお待ちしております。


********公演情報********
シアターキューブリック 2018クリスマス公演
『十二階のカムパネルラ』
作・演出 緑川憲仁
♪メインテーマ 岡村孝子「世界中メリークリスマス」

http://qublic.net/12kai/

2018年11月21日(水)~25日(日)
会場 浅草九劇

宮沢賢治の代表作のひとつ『銀河鉄道の夜』は、
もう二度と会えない友、カムパネルラをめぐる心の冒険物語。
もしも、そのカムパネルラが賢治だったとしたら......。
大正から昭和にかけての賢治の故郷・花巻と、
浅草十二階と呼ばれた巨塔そびえる浅草を舞台に繰り広げられる、
大正浪漫躍るクリスマスファンタジー。
十二階のカムパネルラオモテ面.jpg
十二階のカムパネルラ裏面.jpg
役者群
高橋茉琴 片山耀将 谷口礼子 千田剛士 榎本悟
眞実 今氏瑛太 金田理佐子 坂本実紅 佐藤沙予
品川ともみ 千葉太陽 鳥居きらら 藤井優海

上演時刻
21日(水)19:30
22日(木)19:30
23日(金・祝)14:00/19:00
24日(土)14:00/19:00
25日(日)13:00/17:00
※開場は開演の30分前です。
※上演時間は約1時間50分です。

観覧料
4,500円(税込・全席指定)
当日 4,800円
学生(大学・専門学校生以下) 2,500円 ※要学生証
※未就学児の観劇はできません。


会場
浅草九劇 <東京都台東区浅草2-16-2 2階>

つくばエクスプレス「浅草駅」徒歩3分
東京メトロ銀座線、東武スカイツリーライン「浅草駅」徒歩10分
東京メトロ銀座線「田原町駅」徒歩10分
都営浅草線「浅草駅」徒歩13分

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今月のお題『浅草ここがオススメ!』 [きゅ~め~る今月のお題]

毎月9日は「キューブリック」の日ということで、劇団メルマガきゅ~め~るの配信日であり、
この日はメンバーが決められたお題について、それぞれのブログで語ろう!
という日になっていまして、今月は公演直前ということで浅草のオススメです!

墨田区出身の緑川にとって、浅草は“準”地元、小さな頃から馴染み深い街です。
そんな浅草でお芝居をやるなんて、とても幸せで不思議な気持ちです。
今回の「浅草九劇」という劇場、
作品の題材となっている「浅草十二階」が建っていた場所の目と鼻の先、
ということだけでも皆さんに驚かれるのですが(←上演会場ありきでこの作品を書きました)、
個人的には、「ええ~!九劇、このお店の真ん前なの~!?!?」という場所にあるんです。

DSC_2008-640x428.jpg
劇場の目の前には、「フルーツパーラーゴトー」というお店がありまして、
このお店、僕が小さい頃によく祖父母に連れてきてもらっていたお店なんです。
昔は、「ゴトーフルーツ」という、ふつうの店構えの青果店の脇に
喫茶室のようなスペースがあり、そこでフルーツパフェを注文したりしていました。

今は、青果店というよりもおしゃれカフェのような佇まいに変わっていて、
外観やインテリアで当時の雰囲気を感じることはできませんが、
オーナーのおばあちゃんはご健在で、当時と変わらぬ味のパフェが食べられます。
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どうやら人気のお店になってしまったらしく、土日は並ぶことも多いようです。
場所は、ほんとに浅草九劇の目の前です。
劇場付近に少し早めに来て、ほっぺたが落ちそうなパフェを食べて、
浅草十二階跡を散策してから、『十二階のカムパネルラ』を観劇!
というプランはいかがですか!?

追伸、フルーツサンドも欠かせません。



フルーツパーラー・ゴトー
台東区浅草2-15-4
11:00~18:30L.O(水曜日定休)


********公演情報********
シアターキューブリック 2018クリスマス公演
『十二階のカムパネルラ』
作・演出 緑川憲仁
♪メインテーマ 岡村孝子「世界中メリークリスマス」

2018年11月21日(水)~25日(日)
会場 浅草九劇

宮沢賢治の代表作のひとつ『銀河鉄道の夜』は、
もう二度と会えない友、カムパネルラをめぐる心の冒険物語。
もしも、そのカムパネルラが賢治だったとしたら......。
大正から昭和にかけての賢治の故郷・花巻と、
浅草十二階と呼ばれた巨塔そびえる浅草を舞台に繰り広げられる、
大正浪漫躍るクリスマスファンタジー。
十二階のカムパネルラオモテ面.jpg
十二階のカムパネルラ裏面.jpg
役者群
高橋茉琴 片山耀将 谷口礼子 千田剛士 榎本悟
眞実 今氏瑛太 金田理佐子 坂本実紅 佐藤沙予
品川ともみ 千葉太陽 鳥居きらら 藤井優海

上演時刻
21日(水)19:30
22日(木)19:30
23日(金・祝)14:00/19:00
24日(土)14:00/19:00
25日(日)13:00/17:00
※開場は開演の30分前です。

観覧料
4,500円(税込・全席指定)
当日 4,800円
学生(大学・専門学校生以下) 2,500円 ※要学生証
※未就学児の観劇はできません。

会場
浅草九劇 <東京都台東区浅草2-16-2 2階>

つくばエクスプレス「浅草駅」徒歩3分
東京メトロ銀座線、東武スカイツリーライン「浅草駅」徒歩10分
東京メトロ銀座線「田原町駅」徒歩10分
都営浅草線「浅草駅」徒歩13分

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『十二階のカムパネルラ』脱稿。 [劇団のこと]

「死なずに済んだ」。
これが脱稿した瞬間の本音です。


これまでも毎作品、「今回こそ書ける気がしない……」、
そう思いながら、どうにかこうにか乗り切ってきましたが、今回こそは
年末に生存している自分がまったくイメージできない執筆の旅でした。

夏ごろには、同じ演劇界で活躍する劇団が、
脚本未完のために上演中止になるアクシデントが相次ぎました。
とてもそれが他人事とは思えず、
きっと自分もこうなる、そんなふうに考えることもありました。
仮に脚本未完のために上演中止を決断せざるを得なくなったとしたら、
臆病な僕には、その後、この世界で生き続けられる自信はまったくありません。
つまり「作品を書くことができなかった」、イコール「死」に直結します。

もちろん、公演の初日はまだ開いていません。
けれども、“脚本家”緑川の襷を受け取る“演出家”緑川のことは信用できますし、
“演出家”緑川の襷を受け取る、役者陣には絶大な信頼があります。
もちろん、公演を陰日向で支えるスタッフ陣にも。
あと3週間、最大限に濃密な創作を重ねたうえで、おそらく初日は開きます。


とりあえず、僕の命は繋がりました。せっかく生きるので、
僕はこの作品の題材となった方々の代弁者として完全燃焼したいと思います。

シアターキューブリック『十二階のカムパネルラ』、
人間の内なる蒼白い炎を感じられる作品にしたいと思います。
十二階のカムパネルラオモテ面.jpg
十二階のカムパネルラ裏面.jpg

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