So-net無料ブログ作成
  • ブログをはじめる
  • ログイン

「気」が光る場所へ ~岡村孝子さんクリスマス・ピクニック大阪公演~ [日々雑録]

神社へお詣りに行くと、境内の空気が光っているのを感じます。
それは神社に限ったことではなくて、喫茶店、旅館、ふつうのお店でも、
時々、空気がピカピカしているのを感じて、
そういう場所はだいたい緑川行きつけの場所になります。

共通して感じることは、「そこに集まる人の想いが通い合っている場所」。

先日、岡村孝子さんの東京公演のコンサートに出かけた時、
帰り道、旧知の仲間が「なんだか神社にお詣りした後の気分!」と言いました。
たしかに、舞台上にいる岡村孝子さんが祭神で、
僕たちはご利益をいただく参拝者みたいだなあという感じに
その時はその言葉を聞いていたのですが、
先週土曜日、ツアー千穐楽の大阪公演に参加してみると、
その言葉を聞いた時とは少し違うことを思いました。
2017-12-23 23.20.03.jpg
大阪では舞台上の岡村孝子さんと観客がそれぞれ左右の手であるように感じました。
僕は神道のことはよく分かりませんが、
拍手(かしわで)を行なう時、左右の手があって初めて音が出るように、
どちらが欠けても成立しない空間なんだと。
大阪公演サンケイホールブリーゼ3列目の席で堪能させてもらったことは、
彼女の音楽の世界観だけではなくて、
その音楽が生まれてくる本質部分の妙。
1000名を超える大勢の観客の小さな反応にも常にアンテナを立てて、
その人たちに伝えたい気持ちを、瞬間瞬間で厳選した言葉に乗せて、
丁寧に、美しく届け続けているのが、はっきりと感じられました。

「美しい言葉」。

これは、僕自身が生涯で大事にしていることのひとつです。
僕が岡村孝子さんの音楽を聴くきっかけとなった曲『はぐれそうな天使』。
14歳の僕は、この曲の言葉の美しさに打ちのめされました。
来生えつこさん作詞、来生たかおさん作曲の、この楽曲。
ほとんど全曲をご自身が作詞作曲している岡村孝子さんですが、
皮肉にも僕がハマったきっかけになった曲は、ご自身作詞ではない曲でした。

「恋したら 騒がしい風が吹き、
はぐれそうな天使が私の周りで慌ててる」

サビ冒頭の一節です。
繊細でひたむきなことこの上ない「詩」と、
この詩にこれ以上相応しい旋律は考えられない「音」。
そして、その二つを響かせている岡村孝子さんという「溶媒」。
世の中のことも、人生のことも、まだなんにも分からず、
どんなふうに生きていけばいいのか無自覚的不安のなかにあった
14歳の僕を、ふわりと掬い上げてくれた曲でした。


それから28年経っても、僕の大切なものはやっぱり「言葉」で、
岡村孝子さんが発信し続ける言葉もまた美しいものでした。
5年前、岡村孝子さんの「ミストラル」という曲を
シアターキューブリックの舞台作品でのテーマ曲としてお借りして以降、
岡村孝子さんのファンの方々とのご縁をいただくようになったのですが、
そのファンの方々が話す言葉もやっぱりきれいなんですよね。
そういう人々が集う劇場が、神社みたいに空気がピカピカするのも当然かも知れません。
なにしろ、みんなの「気」が光っていますからね。
2017-12-23 21.07.19.jpg
クリスマスを控えた12月23日の夜、この日のコンサートの最後の曲は
『世界中メリークリスマス』という曲でした。
僕にとっては自動涙腺崩壊装置のような曲です。
個人的感想ではありますが、際立った独自のメッセージというよりも、
むしろ、とても普遍的に、みんなのしあわせと、世界の平和を祈るクリスマスの歌。
12月15日のブログでも書きましたが、この曲の世界に絡まると、
子供の頃の感情を思い出し、その時代にタイムトラベルさせられます。
気を張っているちっぽけな自分を広い心で優しく包み込んでくれるようで、
張りつめた気持ちがポキッと、へし折られるんですかね。。
そして、ただ優しい気持ちに包まれて癒されるだけではなく、
静かに佇む「孤独」の影を必ず突き付けられます。

岡村孝子さんの真骨頂はきっとここだと思います。
幸せや、優しさや、ポジティビティのなかに、必ず「孤独」がいること。
その孤独は、人が生きていく時、誰もが絶対に逃れることができないもの。
岡村孝子自動涙腺崩壊装置の本質はここにある気がしています。
2017-12-23 23.25.29.jpg
僕もそうですが、誰もがこの人のように、
人を幸せな気持ちにさせられるものではありません。
けれども、僕でも「人の幸せを祈ることはできる」。
そんなことを教えられた気がします。

そして、そういう自分に近づいていけるよう、
見たいような、見たくないような、自分のなかにある孤独の淵を覗き込むため、
この方からはもっともっと多くのことを感じ取っていきたいと、あらためて思いました。

nice!(3) 
共通テーマ:演劇

nice! 3

Facebook コメント