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今月のお題「『寺島浴場の怪人』の必需品!」 [きゅ~め~る今月のお題]

毎月9日は、「9」と「キュー」で、「キューブリックの日」。
劇団メルマガ「きゅ~め~る」の配信日、毎月9日は、
各自が持っているブログで全員が同じお題で記事を書く、
という11年も続いている企画の日でありまして、
今回は3週間後に迫った7年ぶりのシアターキューブリックの銭湯演劇に因んで、
「『寺島浴場の怪人』の必需品!」というお題でブログを書きます。

今回の作品は2010年6月に上演した『曳舟湯の怪人』のリメイク公演。
『曳舟湯の怪人』は、劇団のホームグラウンドを墨田区に移して、
演劇と地域の協働を本気で考え始めた一番最初の公演でした。
しかも、生まれて初めて「銭湯」で上演するお芝居というだけあって、
上演する銭湯のお風呂に毎日浸かって、
作品としてどこを目指して何をすればいいのか、毎晩考えたものでした。
東京の銭湯はお湯が熱めなので、長湯するのも大変でしたね(笑)

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ウチのすぐそばにも銭湯があって、
家を建て替える前は自宅にお風呂がなかったこともあり、子供の頃は銭湯通いでした。
だからなのでしょうか、銭湯に行くと、子供の頃のことをよく考えます。
そして、なるべくして『曳舟湯の怪人』は子供の頃の記憶のお話になりました。
その作品のリメイクが『寺島浴場の怪人』です。

記憶って不思議なもので、
何年経っても鮮明に覚えていて、しばしば思い出す記憶もあれば、
ある時、不意に思い出す記憶もあって、脳みそっておもしろいなあって思います。
『寺島浴場の怪人』は、この「不意に思い出す」ほうの記憶のお話です。
自分でもほとんど気にかけていなかった記憶なもんだから、
断片的で、本人のほうがその記憶に翻弄されるんですよね。
自分がその記憶のどこに、どんなわだかまりを持っているか、
そのことさえ自分でよく分からない、というか思い出せない……。


というわけで僕が考える必需品は、「みなさん自身」ですかね。


みなさんもそれぞれ何十年も休まず生き続けているので、
自分の奥底に眠っている記憶というものが、
どれだけあるか分かりませんね。
とてつもない数の記憶と、とてつもない感情量が眠っているんだと思います。
人ってすごいです。生きていることってすごいです。
憶えていることも、忘れることも、おもしろい。

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寺島浴場がある墨田区東向島は、昔ながらの路地が多く残る街です。
細い路地を走るちびっ子たちは、みなさんを子供時代に連れていってくれます。
キューブリックメンバーのナビゲートによる東向島まちあるきをご用意した回もあります。
『寺島浴場の怪人』に登場する人物たちが駆け回った街を歩いて、
そして銭湯での演劇をご覧いただいて、それから、広い湯舟に浸かる!
なんという贅沢な、そして不思議なお芝居の楽しみ方でしょう!!(←自画自賛)


その場合……
12:00~13:00 東向島まちあるき
13:00~14:00 ランチタイム (13:40開場)
14:00~15:00 ★お芝居タイム★
15:00~15:30 一服
15:30~ お風呂タイム
という感じの流れですね。書き出しただけでウキウキしてきましたよ!



僕も今回の脚本を書きなおすにあたって、
地元の墨田区を歩き歩いて、知らなかった魅力をようやく発見したりしています。
演劇はこうやって、自分自身をふわっと豊かにしてくれるんですね。
あらためて自分のお仕事に感謝です。
シアターキューブリック7年ぶり2回目の銭湯演劇
『寺島浴場の怪人』、とても楽しくふんわりとした一日を過ごせると思います。
ぜひぜひ、ご覧ください!

キューブリックのみんなが書く「『寺島浴場の怪人』の必需品!」は何かな?
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台所で決壊 [日々雑録]

自宅の台所の机で仕事をしながら、ボタボタ涙を流して泣きました。

目下、脚本執筆中で基本的に気持ちに余裕が無い毎日を送っているのですが、
それでも前回のブログにも書きました通り、自身のルーツに再度向き合うべく、
岡村孝子さんの音楽を昔から直近のものまで全て「再インストール」している最中で。


ただ、僕の詰めの甘さといいますか、何といいますか、
昨年リリースされましたベストアルバムがあるのですが、
自分が既に持っているアルバムと収録曲が重複しているであろう、
ということでまったくのノーマークでした。
しかし、よく見てみると、
2枚組アルバムの2枚目のいちばん最後の最後の見慣れないタイトル、
「新曲」とあるではないですか。
遅まきながら、手に入れましたとも。

最後の曲は「Hello」という曲です。


紡がれている言葉、旋律が僕の琴線を攻撃してくるのは毎度のことですが、
2コーラス目のサビで、「突如」です、突如、辛島美登里さんの、
そして、さらにその後、平松愛理さんの声が襲い掛かってきた時、
脚本を進めるべくパソコンのキーボードを打っていた僕は、声も出さずに号泣しました。


岡村孝子さんといえば「あみん」で、
パートナーの加藤さんとは一心同体のような印象で、ハモリも絶妙な調和ですが、
今回突然現れた辛島美登里さんや平松愛理さんは、
それぞれの長いソロ活動で活躍し続けてきたビッグアーティスト。
そのお二人が岡村孝子さんの曲に出てくるという、普通では考えられない作品。
声も歌い方も、それぞれの個性が炸裂していて、であるのに、
加藤さんとの絶妙なハーモニーとはまったく趣が異なる調和、まさに「共演」。
また、歌のテーマが、「頑張り続けてきた人たちへのエール」のような内容で、
長い時間のなかで人と人がめぐりあう奇跡を讃えているのですが、
歌詞だけでなく、旋律だけでなく、
お二人の存在そのものがテーマと完全に結びついていました。
いつも自分の周りにいて支えてくれている人たち、
そしてこれから出会うかも知れない人たち、
その「有り難さ」を問答無用に突然突きつけられた、そんな感じです。

僕はまだ、人生の酸いも甘いも経験し尽くした、とはとても言い難い未熟者ですが、
自分なりに山あり谷ありの時間をここまで送ってきて、
仲間との出会いや別れを繰り返し、そして今も素敵な仲間に囲まれ、
息を切らしながら、今も、次の山を越えようと悪戦苦闘の日々です。

そんな折に出会った、この曲、この言葉、そしてこの声でした。



曲のなかの一節です。

「あなたとめぐりあって 喜び分かちあって
このきらめき 胸にきざみ 明日へ歩いていく」



世の中にはたくさんの刺激的で有名な音楽があって、
それらと比べれば、岡村孝子さんの音楽はとても平穏な印象があります。
ですが、食べてみて、あるいは食べ続けることで
ようやく分かる味や食感というものが確実にあります。
まるで、するめいかのようです。

今もお餅が胸につかえているみたいに、胸が苦しいです。
それくらい、僕の心に深い爪痕を残す音楽。
僕の細胞はやはり、この人の言葉と旋律で出来ているようです。

この曲は、ベストアルバム「DO MY BEST II」の最後の曲として収録されています。

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再インストール中 [日々雑録]

いま僕は41歳なので、生まれてから40年以上、
見るもの、聴くもの、感じるもの……、
良いも悪いもなく、いろいろなものをインストールしてきました。
記憶がないぐらいの乳児期の経験も含めて、
幼少期、少年期に触れたもの、出会った人は、
自身の人間形成にいちばん大きく影響するようです。

自覚するかぎりで一番大きなものは、家族のことです。
絵本の最後の場面に出てくるようなあったかい家庭。
それにはかなり程遠い、独自なエピソードが目白押しの家庭でしたが、
その経験がもとで、僕は子供ながらにいろいろな葛藤を経験して、
物書きの原点になった体験は家庭環境であると断言できるほどです。

その次に大きなもの。
つまり物書きとしての「方向性」に、図らずも強い強い影響を与えたもの、
それが岡村孝子さんの音楽です。
先日、幅広い世代が楽しめるようなタイプの音楽番組に出演されていて、
「ああ、時代を重ねるとはこういうことか…」という感慨がありましたが、
それくらいの長い年月を、この人が紡ぐ言葉と旋律は、
僕の人生にいつも「伴奏」してくれました。

ここへ来て、僕をかたちづくるこの音楽を
再びインストールする時間が続いています。

すると、不思議なことに「二人の自分」が現れるんです。
一人は、これらの音楽に出会った頃の自分。
もう一人は、いろいろな時間を重ねて、
人の弱さ、優しさ、時間の切なさ、残酷さを知り、
懐かしいアルバムをめくるような気持ちで音楽に包まれる自分。
この二人の自分が出会える機会というのは、
おそらく、なかなかあるものではありません。
そして作ろうと思っても作れるものでもないのだと思います。
「その時」は突然やってきます。


テレビにバンバン出るような方ではないので、
20代以下の世代の皆さんには馴染みが薄いかも知れませんが、
岡村孝子さんの音楽の魅力は「対極するものが同居している」ことだと思います。
優しく包み込むようでいて、実は尖がっていたり、
透明感あふれて爽やかでいて、深い闇があったり、
弱く可憐なようでいて、強い強い芯があったり、
陰鬱な歌詞なのに、思いきり前向きだったり、
その逆だったり、
あたたかな眼差しを向けていながら、孤独だったり。

僕は20代で劇作家となり、自身の劇団で30本以上の作品を書いてきましたが、
気がつけば、僕自身もまた、対極するものが混在する、
前向きな物語なのか後ろ向きな物語なのか、自分でさえ分からない、
あるいはそういう物差しで考えること自体困難な作品を創るようになっていました。
おそらく受け取り方は、お客さんそれぞれでいいのだと思います。
そして、自分の作品は、どのようにも受け取れる作品でありたい、とも思います。
10代から始まりこれまでの僕が、岡村孝子さんの音楽からあらゆる印象を感じたように。

そんな、自分のルーツとも言える音楽を、いっぱい聴いています。
そして、自分にしか書けない、よく分からない物語をこれからも書いていきます。
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▲僕の枕元を初公開~。他の音楽CDと分けて岡村孝子さんの全ての音楽を置いています。
なんとカセットテープも(笑)

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今月のお題「こんな銭湯あったらいいな~」 [きゅ~め~る今月のお題]

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7年ぶりにふたたび実現するシアターキューブリックの銭湯演劇が
1ヵ月半後にいよいよ迫ってきましたよ~。
毎月9日は、「9」と「キュー」で、「キューブリックの日」。
劇団メルマガ「きゅ~め~る」の配信日、毎月9日は、
各自が持っているブログで全員が同じお題で記事を書く、という
かれこれ11年も続いている企画なんです。


今月のお題は『こんな銭湯あったらいいな~』。

こんな銭湯あったらいいなあ、なんてと思っていると、
最近の銭湯はすごいんですね。
郊外のスーパー銭湯の充実ぶりは今さら言うまでもありませんが、
都内の銭湯でも、サウナはおろか露天風呂もあったり、
まるで温泉旅館のような素敵な雰囲気になっていたり、
別府に至っては温泉と遊園地が合体した企画も実現したりして、
だいたいの夢は、どこかしらの銭湯や温泉で実現されているんだなあ……と。


でも、横浜のラーメン博物館みたいに、
日本全国の温泉が一堂に集まった「温泉博物館」があったら、
きっとすごいですよねー。
北海道の登別温泉と、熊本の黒川温泉と、
おまけに箱根と草津と湯布院をはしごで楽しめるなんて、
現実には不可能ですからね。
個人的には岐阜の池田温泉と香川の仏生山温泉は絶対に外せません!
きっと、問題はお湯の調達(かけ流しはできないだろうし)と、
体調の維持ですかね(笑)

温泉の効能を舐めたらいけません。
ただのお湯ではないですからね。
入り方によっては体調を崩します。
結局、温泉博物館は夢に描くところで止めておいたほうがいいかも…。


「夢」という意味では、「銭湯が劇場になる」というのも、
ある意味、夢のような企画なのかも知れません。
演劇人としても、こんなすごい場所で作品づくりができるなんて、
そうそうあることではないですから、
遊びごころを総動員して臨みますよ!!

さて、キューブリックのみんなはどんな銭湯を妄想しているかな?
メンバーのブログへは、劇団ホームページのトップからどうぞ!!

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次回は下町の銭湯を劇場にした音楽劇! [劇団のこと]

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お待たせしました!シアターキューブリック、次の挑戦は7年ぶりの銭湯演劇です!
僕たちがホームグラウンドにしている東京の墨田区は、
東京スカイツリーで注目を集める下町エリア。
その下町の文化で欠かせない要素のひとつが、この「銭湯」という空間。
劇団のホームを墨田区に移した2010年、
僕たちはその挑戦の一歩目として選んだ公演が
今はもう無い「曳舟湯」という、築70年を越える銭湯での作品づくりでした。
その後、劇場公演での傍ら、関ケ原での武将隊プロデュース、
箱根芦ノ湖の遊覧船での演劇、
岐阜、香川、茨城でのローカル鉄道演劇、
そして地元墨田区の商店街と連携した演劇と地域の長期的コラボ、
と、演劇の新しい可能性を探る冒険が続くことになりました。
その初心に戻るような、7年ぶり2度目の銭湯演劇。
なんだか旗揚げ公演を再演するような、そんな気分でもあります。
そして今回、主演は『誰ガタメノ剣』、『宇宙をskipする時間』、『七人みさき』など、
シアターキューブリックの代表的な作品には
必ずと言っていいほど参加してくれている工藤理穂が務めます。
彼女の魅力を活かしきる自信大!

きっと新しい発見が連続する稽古、公演の毎日になるのだと思います。
銭湯ならではのバイブレーションが交錯するシアターキューブリックの音楽劇。
どうぞご期待ください!!

公演情報の詳細は劇団ホームページをご覧ください!

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THE PAGEさんに取り上げていただきました。 [劇団のこと]

インターネットのニュースサイト「THE PAGE」さんに、
演劇と地域を繋ぐシアターキューブリックの活動を取り上げていただきました。

記事はこちらです! (外部リンクに飛びます)

相変わらず何が正解なのかも分からないまま、
手探りで演劇の可能性を追究している僕たちですが、
こうして客観的な目線で取り上げていただいた記事を拝見すると、
初心や俯瞰の視点が戻ってきます。
作品づくりだけに没頭できれば幸せかも知れないけれど、
そこだけに集中していても、世の中と交われない。
地域が盛り上がっていくことを目指した活動を通して出会った、
全国の皆さんの言葉や顔を思い出しながら、
僕たちはこれからも、手探りに次ぐ手探りの表現活動を続けてまいります!
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今月のお題「僕だけの銭湯マナー」 [きゅ~め~る今月のお題]

毎月9日は、「9」と「キュー」で、「キューブリックの日」。
劇団メルマガ「きゅ~め~る」の配信日、毎月9日は、
各自が持っているブログで全員が同じお題で記事を書く、という
かれこれ11年も続いている企画なんです。

今月のお題は『僕だけの銭湯マナー』。

無類の温泉好きの緑川、当然、独自の決まりごとがいくつかあります。
そのなかで、もっともこだわっていること。

それは「湯舟に波を立てない」!

肩まで浸かってあったまっているとき、人は意外と波に敏感になるんです。
湯舟を出てゆく人が立てる波、けっこうすごいですよ。
なんだか、その人がゴジラに見えてきます。
そこで、逆に僕が湯舟を出る時に他の人があったまっている場合、
僕は絶対に波を立てません!!
簡単です、足を高く上げて、湯舟から足を出して歩みを進めればいいんです。
銭湯や温泉は、たくさんの人が同時に癒される場所。
それぞれが自分のことだけを考えていたら、そういう空間は作れないですね。
これ、とてもこだわってます。

他、よほど泉質が強くない限り、タオルで拭かずに自然乾燥で上がるとか、
いろいろありますよ、僕だけの銭湯ルール。
日本は地震が多いですが、その分火山も多く、温泉も多い国。
死ぬまでに全国の温泉を制覇するわけにはいきませんが、
みんなで思いあって、素敵な癒し文化を発展させていきたいですね。
温泉いきたい!!!

キューブリックのみんなの銭湯マナーは何かな~。
劇団ホームページのトップからリンクが貼られています!

というわけでシアターキューブリックの次回公演は、
7年ぶりの銭湯演劇が帰ってきます!!!!お楽しみに!!!!!
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こちらは緑川オススメの高知県の桑田山(そうだやま)温泉。

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NO RAIN, NO RAINBOW [日々雑録]

「NO RAIN, NO RAINBOW」
ハワイの諺だそうです。
「雨が降らなければ、虹が出ることもない」。

40歳を過ぎた自分は、この先生きる可能性がある時間よりも、
後ろを振り返った時にペタペタと残る迷いの跡のほうが多くなってきました。
健康な体に生んでもらって、大事に育ててもらって、
自分が選んだ仕事をここまで続けてこられて、
やりがいも楽しいこともいっぱいあったけれど、
けっして平坦なだけではなかったこれまでの毎日でした。


劇作家を志し、劇団を立てたのはもう17年も昔のことで、
以降、紆余曲折はいっぱいありながらも、
自分の気持ちとしてはまっすぐにここまで歩いてきました。
ですが、昨年、思いがけず、劇団とは別でもうひとつ
長年関わってきた舞台業界の会社の経営を預かることになり、
きのう7月1日をもって代表取締役社長に就任しました。

「社長になる」ということは、
世間一般では栄転だったり、出世だったりする出来事なのだと思いますが、
個人の気持ちとしてはそうした晴れやかなものは一切なく、
ぬかるんだ足元が、さらにぐいぐいと深く潜ってゆく、そんな重たい感覚です。
ですが、未来なんて誰にとってもはっきりとは見えないもので、
だからこそ楽しく、だからこそ不安なものなわけで、
「置かれた場所で咲きなさい」という気持ちで、やれることをやるだけ、
というシンプルな発想に今は帰結しているところです。


そんな折、昨日は岡村孝子さんのコンサートに久々に行ってきました。

このブログでも何度も触れていますが、岡村孝子さんの音楽は、
10代前半から常に僕の座右にあった音楽です。
10代前半と言えば、僕が作品づくりを始めるずっと前ですから、
僕の物書きとしての細胞は、この人の音楽と言葉でできていると言っても
まったく過剰な表現ではありません。
2002年発表の『葡萄酒いろのミストラル』の2012年再演の際には、
公式テーマ曲として「ミストラル」という楽曲をお借りしました。

悲しさ、切なさ、いとおしさ、優しさ……、

僕が日々感じるたくさんの感情には、
岡村孝子さんの音楽や言葉が常に「伴奏」しているのだと思います。
そして、そうした日々のなかから、
シアターキューブリックで発表してきた多くの作品が生まれました。
ファンタジー作品も、時代劇も、ローカル鉄道を舞台にした演劇も。


「だいすきな音楽」というよりも、あまりにも自分自身と同化しているため、
それに触れる機会の多さ、少なさにはとても鈍感になってしまい、
忙しい毎日のなかで、知らず知らずのうちに
自分のルーツとも言える「栄養」が欠乏していたのかも知れません。



それにしてもすごい時間でした。
(気の利いた表現がまったく思いつきません)


自分の「魂」をここまで自覚できる機会は、そう滅多にありません。
自分は肉体だけじゃなく、頭だけじゃなく、魂があったんだ!という感覚。
この先、自分が生きていきたい方向をはっきりと感じられた時、
自分の後ろに転がっている累々たる迷いの跡は、
まったく無駄なものではなくて、
きっと虹が出る前に必ず降る雨のようなものであったんだ、と。


2時間40分の上演時間のあいだで、
僕は今見せられているものと、
自分のこれまでと、
生きていきたいこれからが、
混ざりに混ざって、見事なごった煮になりました。

肉体と頭は、年齢とともに変わっていきます。
けれども魂だけは、年齢とは一切関係のない、
永久に光が注ぐ広大な草原なんだと思います。
新しいスタートとなった日に、こんな経験ができたこと、
僕はとても偶然とは思えません。


頂いたからには、今度は周りに返していく番です。


劇団では代表理事で、会社では代表取締役社長で、
そんなたいそうな立場を預かったからといって、
自分に何ができるとは元々思っていませんが、
こういう思想、こういう生き方をさせてもらってきた一人の人間として、
はつらつと前に進んでいきたいと思います。


組織の要職に就く際の文章としては、
なんとも個人の精神に偏りすぎな内容ですが何卒ご容赦ください。

あらためて、よろしくお願いいたします。

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演劇のチカラですみだの街を遊園地に! [地元すみだ]

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先日6/3(土)、地元のすみだリバーサイドホールにて
墨田区主催のすみだ地域学セミナーという講座の講師をしてまいりました。
地元からお声をいただき、地元の皆さんに向けて、
演劇を活用した地元地域活性化をお話できる機会をいただき、大変光栄でした。
会場は満員で200名以上の方にお集まりいただきました。
お忙しいなかご来場くださった皆さん、事務局スタッフの皆さん、
どうもありがとうございました。心よりお礼申し上げます。

講座では墨田区出身&墨田区育ちの演劇人である緑川が、
どのような経緯で演劇を活用した地域振興の活動をするようになったのか、
シアターキューブリックの劇団の歩みを中心にしながらお話をしました。
劇場公演を専らとしていた旗揚げ以降の活動初期も、
「演劇の魅力を広めたい」という気持ちを強く持って作品を作っていましたし、
作品ごと、題材となったものや場所の魅力を広めたいという気持ちも強くありました。
そうした活動のなかでたまたま「場所」という要素が、
お客さんが「わざわざ足を運んで観に行く」演劇の特性と、
切っても切れない関係であることに気づき、
2008年以降のローカル鉄道演劇や関ケ原での観光おもてなし武将隊、
地元墨田区での帰ってきたキューピッドガールズの活動へと展開していったわけです。
その間の僕たちの思考、葛藤、失敗、発見をお話しました。
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講座の一部ではシアターキューブリックの俳優陣が登場、
まさに「実演」で、演劇を使った街づくりを披露してもらいました!

この日の講座ではこれといった結論はありませんでした。
「街を遊園地に!」というのは観光地化を目指すわけではなく、
地元の人が自分たちの街を楽しむ、そんな空間を創ること。
これは前人未踏の世界でありまして、
現時点で「これをすれば必ずこうなる!」と断言できることは何もなく、
そういった社会を目指して、今こういうことをやっています、
という途中報告だと思って聴いていただきました。

東京スカイツリー開業を機に街の再開発が進んでいる墨田区ですが、
演劇を活用した独自のアプローチで、
新しいもの、昔から大切にしているもの、両方の魅力を発信して、
もちろん演劇ファンの裾野も広げていきたいと思います!
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会場の写真撮影:山村厳さん
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今月のお題『鍵にまつわるエトセトラ』 [きゅ~め~る今月のお題]

毎月9日は、「9」と「キュー」で、「キューブリックの日」。
劇団メルマガ「きゅ~め~る」の配信日、毎月9日は、
各自が持っているブログで全員が同じお題で記事を書く、という
かれこれ11年も続いている企画なんです。
今月のテーマは「鍵です」、6月9日だから「ロック」ってこと!?
毎回お題のテーマが難しすぎるわ!!!

鍵……。

今住んでいる家の鍵は、ボタン式なので鍵がないのです。
自転車も乗らないし、正直なところ僕は鍵とはなかなか縁がありません。


鍵……。


あ、「鍵とは縁がない」で思い出してきました。


小学生の頃の話です。

学校から帰宅する頃、親が家を留守にする場合は、
家族であらかじめ決めた場所に鍵を置いて……、
という話は、どこの家庭でもそうだと思います。
うちもそうでした。

ただ、うちの場合、親がものすごい高確率で鍵を置いていってくれないんです。
家に帰って、「扉の鍵が閉まっている」で一回目のショック。
(↑むかしは、人がいるなら玄関の鍵はふつうに開いているものでした)
そして、約束の場所に鍵が置かれていないことで二回目のショック。

ねえ?鍵に縁がないでしょう(笑)


子供は暇かも知れませんけど、子供は子供でやりたいことがいっぱいあります。
それができないまま、ただ時間が過ぎていくんです。
おなかが痛い時だってあります。
そういう時はお隣さんに行ってトイレを借りました。
でも、お隣さんが留守の時もありました。
その時は、家の裏手にある野原の隅っこでやりました。
友達に見つかったらどうしようって思いながら。


そして、親が帰ってくるまでいったい何をしていたか。。。

家の裏側にまわると、居間の縁側がありました。
その縁側に座って、やれる宿題をしたり、
そこらへんにあるものをいじっていたりしました。


切ないのはそこから家の中が見えるんです。
鍵が閉まっているだけで、居間が目の前に見えるんですよ。

入ることができない部屋を覗いていると、
不思議と家の中でくつろいでいる普段の自分や家族が見えてきます。

帰れるはずの家に帰れずに、覗いているのがやっとの自分が惨めに思えてきて、
鍵を置いていってくれなかった親へのイライラなんてとっくに忘れて、
生きるのってこんなに悲しいことが多いのか…って思ったりしたものでした。


そんな僕も大人になって、
家に入れないというようなこともなくなり(笑)、
家の外でも、「劇団」と「会社」という家のような存在を二つも持つことができて、
あの時、生きていることを悲しんだ経験は無駄じゃなかったな~と思っています。
自分だけじゃなくって、周りの人たちにとっても
「いつでも帰れる家」を作れるように頑張っていきたいです。
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他のみんなはどんなことを語っているかな?
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