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敵地の桑の実 [日々雑録]

長宗我部元親を描いた司馬遼太郎さんの小説『夏草の賦』のなかにある、
元親が平民に身をやつして敵の領地に乗り込んで、
地形等、合戦に必要な情報を自分の目で確かめに行き、
そのついでに敵地の桑の実を盗み、農民に追われ、
城に戻ってくるというエピソードが大好きで。

作品づくりやあるいは何かの企画の折、
自分は、その題材の地域にやや長めに滞在することが多く、
元親のそのお話と少し似ているなあと。
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作品づくりは、自分との戦いのようなもので、
題材となる地域に、いかに「同化」できるか、
それによって、その作品や企画の深みが変わってくる。


地元の人たちの素顔が覗ける場所、会話が漏れてくる場所。

気がつくと、僕はいつもそういう場所に留まっている。
作品の結果が出るまで、あるいは結果が出た後でも、
そういう、ぐうたらした行動が評価される日は来ないかも知れないけれど、
こういう時間がとても大切だということをあらためて感じた。

いつでもどこか無意識に「桑の実」を探しているのかも知れない。

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これは柿の実。
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導かれるままにゆく [日々雑録]

仕事ならば目標だって立てなきゃならないし、
こうありたい明日の自分の姿を思い浮かべたりするけれど、
それが達成できたことなんて、ほんの僅かだ。
なんか苦しいなあって思う時は、大概、掲げた理想や目標に縛られてるし、
心が軽く感じる時は、見えない何かに導かれて、その日の風に身をゆだねてる。

世の中にはパワースポットと言われる場所がいくつもあるけど、
自分だけのタイミングで、自分だけのパワースポット、というのもきっとあると思う。
近頃、そのタイミングと場所を嗅ぎわけて、そこへ行けるようになってきた。

なぜそのタイミングで、なぜその場所なのか、その時の僕には説明できない。

いつも後になって、「ああ、あのときのあの出来事か…」というように、
因果はずいぶんと時が過ぎてから自分に答えを教えてくれる。

今日も僕は、よく分からない何かに導かれ、心軽やかに歩いている。

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光を照らす人、岡村孝子さん。 [日々雑録]

よく巷のお仕事の電話やメールにて、
「いつも大変お世話になっております」というワードがしばしば登場します。
僕も岡村孝子さんには大変お世話になっている、といえば、間違いなくそうなのですが、
もはや、緑川憲仁という人間が、舞台の劇作家として、
素敵な仲間やお客さんに日々恵まれ、
素敵なお仕事に日々恵まれ、
こうして息を吸って生きていられるのは、まぎれもなく、
10代の頃から僕を今の場所へと導いてくれた岡村孝子さんのおかげで、
どんな言葉を尽くしてお礼を言えばよいのか、、、

おそらくそれに足る言葉はどこにも存在しない気がします。
それはきっと、僕が死ぬまでそうなのだと、ゆうべは眠れなくなりました。
はたして「今日も眠れない」のかな……。


劇作家としての細胞のもと、岡村孝子さん。
この方の音楽と出会ってから28年、孝子さんはずっと光を照らし続けてくれました。

「いくつの悲しみは今日への道しるべ」。

夢をあきらめず頑張り続けることが、今は唯一つのご恩返しだと考えています。

三木町コンサートの写真(ブログ用).jpg
※岡村孝子さんのご了解をいただいて掲載しています。

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光と笑顔あふれる庭で [日々雑録]

「物書きとしての細胞は、岡村孝子さんが紡ぐ言葉と旋律で出来ている」。
これまで、このブログでも何度か、この言葉を書いていますが、
それほどに、緑川自身のアイデンティティーを考えたとき、
親の存在にも劣らない岡村孝子さんの音楽。
何しろ、14歳という多感な時代から常に僕の人生に伴奏してくれている音楽。
そうなっても何ら不思議はありません。
シアターキューブリックでは、5年前の公演『葡萄酒いろのミストラル』で、
「ミストラル」という曲を公式テーマ曲として拝借したこともありましたし、
そもそも、僕が創る全作品のどこかしらに、
必ず岡村孝子さんのエッセンスが摺り込まれているはずです。摺り込まれています。
そんな岡村孝子さんのコンサートがちょうど香川で行なわれるので、行ってまいりました。
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緑色のことでんに乗って、「学園通り」というかわいい名前の駅で降り、
すぐ目の前にある立派な劇場、「三木町文化交流プラザ」へ。



岡村孝子さんの「T’s GARDEN」という企画の視点はちょっと面白くて、
ふつうなら有名アーティストの地方公演というのは
大阪・福岡などの大都市で行なわれることが多いのですが、
「あなたの街で岡村孝子がパーティーを開くので気軽に遊びに来てください」
といったスタンスで全国各地をめぐっているアットホームなコンサート。
とても岡村孝子さんらしい企画です。
今回、香川県の三木町ということで、
東京人の僕にとっては、まったく「あなたの街」ではないんですが(笑)、
ちゃっかり参加させていただきました。
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遠方の公演を鑑賞する、というのを僕は今回初めて経験したのですが、
その人にとっては会場までの道のり、その後の道のり全部が「旅」ですから、
自然と、コンサート前後の時間全部が、音楽とミックスされるんですね。
すると、その地域の風景と、自分が好きな音楽が合わさり、
その人にとって、その街が特別な場所になる……。

これはすごいことです。
音楽というのは、自分が過ごした「時代」を思い出す、とよく言いますが、
時代だけではなく、「場所」「まち」をも思い出させるアイテムなんですね。


会場に詰めかけたお客さんは、
岡村孝子さんのコンサート初体験の人がほとんどらしかったのですが、
思い思いに楽しまれていて、その皆さんの顔をついつい見て、
僕までほくほくしてしまいました(笑)。
お客さんを見てしまうのは、僕の癖、というか職業病のようです。

地方の町で開かれるコンサートの何とも言えぬあたたかさ、病みつきになりそうです。
素敵なひとときをありがとうございましたー!!

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あなたにめぐりあう旅へ [日々雑録]

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11日に終わったばかりの公演の余韻も冷めぬまま、
四国へ向かう寝台特急に揺られ、降り立った2年ぶりの高松。
10年前から数えきれないくらい訪れている四国ですので、
地図がなくても迷うことはありません。


香川県です、まずはとにかく「うどん」に会いに行きます。

香川県内のうどん屋さんは、早朝に始まってお昼過ぎには閉まってしまうお店がほとんど。
そのため、「朝に高松到着」ということは、かなり選択肢が多い状態なわけです。
高松の中心地にもいくつも名店がありますが、ここはこだわらずにはいられません。
というわけで行ってまいりました、「山越うどん」!
このお店はマイカーがないと、なかなか厳しい場所にあります。
電車だと最寄駅はことでんの綾川駅、そこからバスです。
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山越うどんのうどんは、麺のコシの強さと滑らかさがとにかくすごい!
そして、素敵なお庭で、空と緑を眺めながら食べられるというのが、またいいんです。
香川県はおいしいうどん屋さんばかりですので、
「どこのうどんが一番おいしい?」という質問には答えられませんが、
「どこのうどんが好き?」という質問には、食い気味で「山越うどん!」と返します。
みなさんもぜひ一度行ってみてください。
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そして、「広い風景のなかに一人いる」自分に会いにいきたくなりました。
ことでんで高松に戻り、高松港からふらりと乗ったフェリーは小豆島行き。
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瀬戸内海もすっかり秋で、海風もなかなかの冷たさでしたが、
「広い風景のなかに一人いる」自分は、あたたかい船室ではなく甲板にいるはず。
目を閉じ、耳を澄まし、海風を頬に感じながら、
自分自身のカラダとココロを、まっさらな気持ちで確かめるひととき。
体は冷えましたが、その分だけ、心が楽になるのが不思議。
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これまでは直島ばかり行っていたので、今日が初上陸の小豆島。
オリーブと「二十四の瞳」で有名な小豆島。
見どころがたくさんある島ですが、
オリーブ公園の高台から、穏やかな瀬戸内海をひたすらボーっと眺めます。
僕の目的は広い風景のなかで、ただ居ること。
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まったく何もせず、きっと何かを考えてはいたのでしょうが、
これといって何も考えず、「自分が居る」ということを、ただただ感じたのでした。
しかし、今日のこの時間が、この先どのように活きてくるのかは分かりません。
これまで僕は、この「一人」の時間で、家族や仲間やチームや自分の仕事を、
ふだんと違う距離で感じながら、次の手を、そして次の作品を考えてきました。
平たくいうと、「濃い酸素を吸う」ような大切な時間。



そして、シアターキューブリックで香川県といえば、『ことでんスリーナイン』です。

2015年、90年の歴史を持つことでんのレトロ車両を専用劇場に、
ローカル鉄道演劇第4弾として上演した作品です。
木のぬくもりに包まれた、生きものみたいな電車に揺られて、
物語の舞台となった滝宮へ。
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近代産業遺産にもなっている駅舎は、今も町のシンボル。
「古くて、お洒落で、重厚で、かわいい」、ってすごい。
僕もこんなおじいちゃんになりたいものです(笑)。


駅の近くにあるお菓子屋さん「ほくろ屋」は、
作品のまちあるき部分でコラボレートしたお店です。
滝宮名物の「ぷりんどらやき」が有名で、
今でもシアターキューブリックのお客さんのあいだで話題にのぼります。
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2年ぶりにお会いするほくろ屋さんのご主人。
まるでタイムトラベルしたように何も変わっていませんでした!
2年前に初めてお会いした方なのに、
ふるさとの幼馴染みに会うような気持ち。
嬉しくて目が潤みました。
今度はみんなで遊びに来ます!とガッチリ握手をしてさよならしました。
切なくて目が潤みました。


そしてまた、おなじみのことでんに揺られながら、高松へ。
まだまだ旅は続きます。

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台所で決壊 [日々雑録]

自宅の台所の机で仕事をしながら、ボタボタ涙を流して泣きました。

目下、脚本執筆中で基本的に気持ちに余裕が無い毎日を送っているのですが、
それでも前回のブログにも書きました通り、自身のルーツに再度向き合うべく、
岡村孝子さんの音楽を昔から直近のものまで全て「再インストール」している最中で。


ただ、僕の詰めの甘さといいますか、何といいますか、
昨年リリースされましたベストアルバムがあるのですが、
自分が既に持っているアルバムと収録曲が重複しているであろう、
ということでまったくのノーマークでした。
しかし、よく見てみると、
2枚組アルバムの2枚目のいちばん最後の最後の見慣れないタイトル、
「新曲」とあるではないですか。
遅まきながら、手に入れましたとも。

最後の曲は「Hello」という曲です。


紡がれている言葉、旋律が僕の琴線を攻撃してくるのは毎度のことですが、
2コーラス目のサビで、「突如」です、突如、辛島美登里さんの、
そして、さらにその後、平松愛理さんの声が襲い掛かってきた時、
脚本を進めるべくパソコンのキーボードを打っていた僕は、声も出さずに号泣しました。


岡村孝子さんといえば「あみん」で、
パートナーの加藤さんとは一心同体のような印象で、ハモリも絶妙な調和ですが、
今回突然現れた辛島美登里さんや平松愛理さんは、
それぞれの長いソロ活動で活躍し続けてきたビッグアーティスト。
そのお二人が岡村孝子さんの曲に出てくるという、普通では考えられない作品。
声も歌い方も、それぞれの個性が炸裂していて、であるのに、
加藤さんとの絶妙なハーモニーとはまったく趣が異なる調和、まさに「共演」。
また、歌のテーマが、「頑張り続けてきた人たちへのエール」のような内容で、
長い時間のなかで人と人がめぐりあう奇跡を讃えているのですが、
歌詞だけでなく、旋律だけでなく、
お二人の存在そのものがテーマと完全に結びついていました。
いつも自分の周りにいて支えてくれている人たち、
そしてこれから出会うかも知れない人たち、
その「有り難さ」を問答無用に突然突きつけられた、そんな感じです。

僕はまだ、人生の酸いも甘いも経験し尽くした、とはとても言い難い未熟者ですが、
自分なりに山あり谷ありの時間をここまで送ってきて、
仲間との出会いや別れを繰り返し、そして今も素敵な仲間に囲まれ、
息を切らしながら、今も、次の山を越えようと悪戦苦闘の日々です。

そんな折に出会った、この曲、この言葉、そしてこの声でした。



曲のなかの一節です。

「あなたとめぐりあって 喜び分かちあって
このきらめき 胸にきざみ 明日へ歩いていく」



世の中にはたくさんの刺激的で有名な音楽があって、
それらと比べれば、岡村孝子さんの音楽はとても平穏な印象があります。
ですが、食べてみて、あるいは食べ続けることで
ようやく分かる味や食感というものが確実にあります。
まるで、するめいかのようです。

今もお餅が胸につかえているみたいに、胸が苦しいです。
それくらい、僕の心に深い爪痕を残す音楽。
僕の細胞はやはり、この人の言葉と旋律で出来ているようです。

この曲は、ベストアルバム「DO MY BEST II」の最後の曲として収録されています。

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再インストール中 [日々雑録]

いま僕は41歳なので、生まれてから40年以上、
見るもの、聴くもの、感じるもの……、
良いも悪いもなく、いろいろなものをインストールしてきました。
記憶がないぐらいの乳児期の経験も含めて、
幼少期、少年期に触れたもの、出会った人は、
自身の人間形成にいちばん大きく影響するようです。

自覚するかぎりで一番大きなものは、家族のことです。
絵本の最後の場面に出てくるようなあったかい家庭。
それにはかなり程遠い、独自なエピソードが目白押しの家庭でしたが、
その経験がもとで、僕は子供ながらにいろいろな葛藤を経験して、
物書きの原点になった体験は家庭環境であると断言できるほどです。

その次に大きなもの。
つまり物書きとしての「方向性」に、図らずも強い強い影響を与えたもの、
それが岡村孝子さんの音楽です。
先日、幅広い世代が楽しめるようなタイプの音楽番組に出演されていて、
「ああ、時代を重ねるとはこういうことか…」という感慨がありましたが、
それくらいの長い年月を、この人が紡ぐ言葉と旋律は、
僕の人生にいつも「伴奏」してくれました。

ここへ来て、僕をかたちづくるこの音楽を
再びインストールする時間が続いています。

すると、不思議なことに「二人の自分」が現れるんです。
一人は、これらの音楽に出会った頃の自分。
もう一人は、いろいろな時間を重ねて、
人の弱さ、優しさ、時間の切なさ、残酷さを知り、
懐かしいアルバムをめくるような気持ちで音楽に包まれる自分。
この二人の自分が出会える機会というのは、
おそらく、なかなかあるものではありません。
そして作ろうと思っても作れるものでもないのだと思います。
「その時」は突然やってきます。


テレビにバンバン出るような方ではないので、
20代以下の世代の皆さんには馴染みが薄いかも知れませんが、
岡村孝子さんの音楽の魅力は「対極するものが同居している」ことだと思います。
優しく包み込むようでいて、実は尖がっていたり、
透明感あふれて爽やかでいて、深い闇があったり、
弱く可憐なようでいて、強い強い芯があったり、
陰鬱な歌詞なのに、思いきり前向きだったり、
その逆だったり、
あたたかな眼差しを向けていながら、孤独だったり。

僕は20代で劇作家となり、自身の劇団で30本以上の作品を書いてきましたが、
気がつけば、僕自身もまた、対極するものが混在する、
前向きな物語なのか後ろ向きな物語なのか、自分でさえ分からない、
あるいはそういう物差しで考えること自体困難な作品を創るようになっていました。
おそらく受け取り方は、お客さんそれぞれでいいのだと思います。
そして、自分の作品は、どのようにも受け取れる作品でありたい、とも思います。
10代から始まりこれまでの僕が、岡村孝子さんの音楽からあらゆる印象を感じたように。

そんな、自分のルーツとも言える音楽を、いっぱい聴いています。
そして、自分にしか書けない、よく分からない物語をこれからも書いていきます。
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▲僕の枕元を初公開~。他の音楽CDと分けて岡村孝子さんの全ての音楽を置いています。
なんとカセットテープも(笑)

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NO RAIN, NO RAINBOW [日々雑録]

「NO RAIN, NO RAINBOW」
ハワイの諺だそうです。
「雨が降らなければ、虹が出ることもない」。

40歳を過ぎた自分は、この先生きる可能性がある時間よりも、
後ろを振り返った時にペタペタと残る迷いの跡のほうが多くなってきました。
健康な体に生んでもらって、大事に育ててもらって、
自分が選んだ仕事をここまで続けてこられて、
やりがいも楽しいこともいっぱいあったけれど、
けっして平坦なだけではなかったこれまでの毎日でした。


劇作家を志し、劇団を立てたのはもう17年も昔のことで、
以降、紆余曲折はいっぱいありながらも、
自分の気持ちとしてはまっすぐにここまで歩いてきました。
ですが、昨年、思いがけず、劇団とは別でもうひとつ
長年関わってきた舞台業界の会社の経営を預かることになり、
きのう7月1日をもって代表取締役社長に就任しました。

「社長になる」ということは、
世間一般では栄転だったり、出世だったりする出来事なのだと思いますが、
個人の気持ちとしてはそうした晴れやかなものは一切なく、
ぬかるんだ足元が、さらにぐいぐいと深く潜ってゆく、そんな重たい感覚です。
ですが、未来なんて誰にとってもはっきりとは見えないもので、
だからこそ楽しく、だからこそ不安なものなわけで、
「置かれた場所で咲きなさい」という気持ちで、やれることをやるだけ、
というシンプルな発想に今は帰結しているところです。


そんな折、昨日は岡村孝子さんのコンサートに久々に行ってきました。

このブログでも何度も触れていますが、岡村孝子さんの音楽は、
10代前半から常に僕の座右にあった音楽です。
10代前半と言えば、僕が作品づくりを始めるずっと前ですから、
僕の物書きとしての細胞は、この人の音楽と言葉でできていると言っても
まったく過剰な表現ではありません。
2002年発表の『葡萄酒いろのミストラル』の2012年再演の際には、
公式テーマ曲として「ミストラル」という楽曲をお借りしました。

悲しさ、切なさ、いとおしさ、優しさ……、

僕が日々感じるたくさんの感情には、
岡村孝子さんの音楽や言葉が常に「伴奏」しているのだと思います。
そして、そうした日々のなかから、
シアターキューブリックで発表してきた多くの作品が生まれました。
ファンタジー作品も、時代劇も、ローカル鉄道を舞台にした演劇も。


「だいすきな音楽」というよりも、あまりにも自分自身と同化しているため、
それに触れる機会の多さ、少なさにはとても鈍感になってしまい、
忙しい毎日のなかで、知らず知らずのうちに
自分のルーツとも言える「栄養」が欠乏していたのかも知れません。



それにしてもすごい時間でした。
(気の利いた表現がまったく思いつきません)


自分の「魂」をここまで自覚できる機会は、そう滅多にありません。
自分は肉体だけじゃなく、頭だけじゃなく、魂があったんだ!という感覚。
この先、自分が生きていきたい方向をはっきりと感じられた時、
自分の後ろに転がっている累々たる迷いの跡は、
まったく無駄なものではなくて、
きっと虹が出る前に必ず降る雨のようなものであったんだ、と。


2時間40分の上演時間のあいだで、
僕は今見せられているものと、
自分のこれまでと、
生きていきたいこれからが、
混ざりに混ざって、見事なごった煮になりました。

肉体と頭は、年齢とともに変わっていきます。
けれども魂だけは、年齢とは一切関係のない、
永久に光が注ぐ広大な草原なんだと思います。
新しいスタートとなった日に、こんな経験ができたこと、
僕はとても偶然とは思えません。


頂いたからには、今度は周りに返していく番です。


劇団では代表理事で、会社では代表取締役社長で、
そんなたいそうな立場を預かったからといって、
自分に何ができるとは元々思っていませんが、
こういう思想、こういう生き方をさせてもらってきた一人の人間として、
はつらつと前に進んでいきたいと思います。


組織の要職に就く際の文章としては、
なんとも個人の精神に偏りすぎな内容ですが何卒ご容赦ください。

あらためて、よろしくお願いいたします。

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お世話になっている皆様にお知らせです [日々雑録]

突然のお知らせになりますが、来月7月1日、
有限会社ネビュラエクストラサポート(Next)の代表取締役社長に就任することになりました。

演劇業界に身を置き始めてからもうすぐ20年、劇団を結成してから17年、
まさか業界全体をサポートする役目を担うこの会社の代表になるとは、
1年ちょっと前の自分は、これっぽっちも思っていませんでした。

そもそも、演劇を生業にしたいと思った動機は、
自分も周囲のみんなも、お互い心を通わせ、のんびり生きられる社会になればいいのに……、
演劇ってなんだか、それに近づける方法なんじゃないかなあ……、
そんな確信とは程遠い漠然とした直感だけだったと言ってもいいくらいで、
そんな直感から始まった演劇人生が、20年も続くとは自分でも若干驚いています。

その漠然としたものは、相変わらず漠然とした状態が続いていて、
「これをすれば、必ずこうなる!」といった自信めいた要素は正直ありません。
だからこそ仲間と肩を寄せ合い、人間のさまざまな魅力を実感しながら、
自分の夢を追いつづけることができるのかも知れません。
皆様、何卒これからもよろしくお願いいたします。

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以下、社長就任にあたってのご挨拶です。


「不器用を究めます」

前身の会社ネビュラプロジェクトが始めたチラシ折込代行サービス。
今でも当社の主幹事業であるこの仕事は、
公演制作業務の合理化を推進する事業としてこれまで歩んでまいりました。
舞台業界の多くの表現活動をサポートする経済活動を行う以上、
合理化や利益追求といった要素をないがしろにすることはできません。
しかしながら、そういった器用な立ち居振る舞いを行おうと思っても、
表現活動そのもの、そこに惹かれた人々の思考方法、
そもそも人間という生きものの非合理性までを捨て去ることはできません。
経済成長期の競争原理で合理化を追求すること自体、
人間にとってはナンセンスなのかも知れません。

私たちが生まれた日本には美しい四季があり、
その移ろいの中で私たちは育ち、老いていきます。
人に喜んでもらい、その人から喜びをいただく、
という「人が集う幸せ」に溢れた舞台芸術の世界は、
そうした豊かな自然や独自の文化によって育まれてきました。
そこに携わる一員として、
舞台芸術の魅力を一人でも多くの方にお届けできる会社になれるよう、
私たちは社員自ら自然や文化から多くを学び、
社員どうし、そしてお客様お一人おひとりと向き合い、
人間が持ち続ける不器用を究めてまいりたいと思います。

緑川憲仁

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へんか、とか、へんげ、とか。 [日々雑録]

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今朝、出かけるときには緑の豆粒だった玄関先の名前の分からないお花が、
夜、帰ってきたときには白いつぼみになっていた。

いつも、いつかどこかで花開くときが来るように、みんな頑張ってる。
そして、そういう人を、まわりの人たちが見てる。
僕のまわりにもがんばっている人がいっぱいいる。

僕はその人たちの花が開くこと、自分の喜びに出来ているかなー。

そして、変わっていくみんなと一緒に
僕も「へんか」とか「へんげ」をしていけるかな。


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