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再インストール中 [日々雑録]

いま僕は41歳なので、生まれてから40年以上、
見るもの、聴くもの、感じるもの……、
良いも悪いもなく、いろいろなものをインストールしてきました。
記憶がないぐらいの乳児期の経験も含めて、
幼少期、少年期に触れたもの、出会った人は、
自身の人間形成にいちばん大きく影響するようです。

自覚するかぎりで一番大きなものは、家族のことです。
絵本の最後の場面に出てくるようなあったかい家庭。
それにはかなり程遠い、独自なエピソードが目白押しの家庭でしたが、
その経験がもとで、僕は子供ながらにいろいろな葛藤を経験して、
物書きの原点になった体験は家庭環境であると断言できるほどです。

その次に大きなもの。
つまり物書きとしての「方向性」に、図らずも強い強い影響を与えたもの、
それが岡村孝子さんの音楽です。
先日、幅広い世代が楽しめるようなタイプの音楽番組に出演されていて、
「ああ、時代を重ねるとはこういうことか…」という感慨がありましたが、
それくらいの長い年月を、この人が紡ぐ言葉と旋律は、
僕の人生にいつも「伴奏」してくれました。

ここへ来て、僕をかたちづくるこの音楽を
再びインストールする時間が続いています。

すると、不思議なことに「二人の自分」が現れるんです。
一人は、これらの音楽に出会った頃の自分。
もう一人は、いろいろな時間を重ねて、
人の弱さ、優しさ、時間の切なさ、残酷さを知り、
懐かしいアルバムをめくるような気持ちで音楽に包まれる自分。
この二人の自分が出会える機会というのは、
おそらく、なかなかあるものではありません。
そして作ろうと思っても作れるものでもないのだと思います。
「その時」は突然やってきます。


テレビにバンバン出るような方ではないので、
20代以下の世代の皆さんには馴染みが薄いかも知れませんが、
岡村孝子さんの音楽の魅力は「対極するものが同居している」ことだと思います。
優しく包み込むようでいて、実は尖がっていたり、
透明感あふれて爽やかでいて、深い闇があったり、
弱く可憐なようでいて、強い強い芯があったり、
陰鬱な歌詞なのに、思いきり前向きだったり、
その逆だったり、
あたたかな眼差しを向けていながら、孤独だったり。

僕は20代で劇作家となり、自身の劇団で30本以上の作品を書いてきましたが、
気がつけば、僕自身もまた、対極するものが混在する、
前向きな物語なのか後ろ向きな物語なのか、自分でさえ分からない、
あるいはそういう物差しで考えること自体困難な作品を創るようになっていました。
おそらく受け取り方は、お客さんそれぞれでいいのだと思います。
そして、自分の作品は、どのようにも受け取れる作品でありたい、とも思います。
10代から始まりこれまでの僕が、岡村孝子さんの音楽からあらゆる印象を感じたように。

そんな、自分のルーツとも言える音楽を、いっぱい聴いています。
そして、自分にしか書けない、よく分からない物語をこれからも書いていきます。
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▲僕の枕元を初公開~。他の音楽CDと分けて岡村孝子さんの全ての音楽を置いています。
なんとカセットテープも(笑)

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