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敵地の桑の実 [日々雑録]

長宗我部元親を描いた司馬遼太郎さんの小説『夏草の賦』のなかにある、
元親が平民に身をやつして敵の領地に乗り込んで、
地形等、合戦に必要な情報を自分の目で確かめに行き、
そのついでに敵地の桑の実を盗み、農民に追われ、
城に戻ってくるというエピソードが大好きで。

作品づくりやあるいは何かの企画の折、
自分は、その題材の地域にやや長めに滞在することが多く、
元親のそのお話と少し似ているなあと。
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作品づくりは、自分との戦いのようなもので、
題材となる地域に、いかに「同化」できるか、
それによって、その作品や企画の深みが変わってくる。


地元の人たちの素顔が覗ける場所、会話が漏れてくる場所。

気がつくと、僕はいつもそういう場所に留まっている。
作品の結果が出るまで、あるいは結果が出た後でも、
そういう、ぐうたらした行動が評価される日は来ないかも知れないけれど、
こういう時間がとても大切だということをあらためて感じた。

いつでもどこか無意識に「桑の実」を探しているのかも知れない。

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これは柿の実。
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導かれるままにゆく [日々雑録]

仕事ならば目標だって立てなきゃならないし、
こうありたい明日の自分の姿を思い浮かべたりするけれど、
それが達成できたことなんて、ほんの僅かだ。
なんか苦しいなあって思う時は、大概、掲げた理想や目標に縛られてるし、
心が軽く感じる時は、見えない何かに導かれて、その日の風に身をゆだねてる。

世の中にはパワースポットと言われる場所がいくつもあるけど、
自分だけのタイミングで、自分だけのパワースポット、というのもきっとあると思う。
近頃、そのタイミングと場所を嗅ぎわけて、そこへ行けるようになってきた。

なぜそのタイミングで、なぜその場所なのか、その時の僕には説明できない。

いつも後になって、「ああ、あのときのあの出来事か…」というように、
因果はずいぶんと時が過ぎてから自分に答えを教えてくれる。

今日も僕は、よく分からない何かに導かれ、心軽やかに歩いている。

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『キラキラ橘商店街 SHOW店街でショー!』閉幕しました! [地元すみだ]

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11月11・12日の2日間にわたってキラキラ橘商店街にて行なわれた、
シアターキューブリックプロデュース『キラキラ橘商店街 SHOW店街でショー!』は、
お天気にも恵まれて、びっくりするほどの大盛況で幕を下ろすことができました。
ご来場くださったみなさん、ありがとうございました!楽しんでいただけましたか!?
僕らみたいな若手劇団が地元自慢の商店街とコラボさせてもらえる幸せはもちろんですが、
その商店街の皆さんや、元気なちびっ子たちの幸せそうな顔をたくさん見ることができて、
何よりもそれが一番の幸せでした。

ふつうの劇場での公演も劇団のメンバーの努力だけで成り立つものではなくて、
多くのスタッフさんや協力してくださる皆さんの労力と知恵をお借りしていますが、
さすがに、ひとつの街を盛り上げるお祭りともなれば、その規模や人数もすごいです。
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墨田区役所や観光協会さんをはじめ、商店街と繋がりの深い大学ゼミの皆さん、
地元の高校、中学校の皆さん、ゆるキャラの皆さん、ミュージシャンの皆さん、
サンバチームの皆さん、お笑いタレントのみなさん、そして商店街の各店主さん、
そしてそして、それらの皆さんを束ねる商店街の事務局長さん。
誰一人欠けても実現できなかった今回のイベント、まさにお芝居と同じです!

6年間継続している帰ってきたキューピッドガールズの活動が基盤となって、
この街とエンターテインメントの親和性が強まってきていることも肌で感じました。
「演劇のチカラで街を遊園地に!」という壮大な夢。着々と進んでいると思います。

劇団なんていうものは本来自己主張の強い人間の集まりなんですが、
街全体を劇場にして、自分たちがやりたいことをしたい放題やれればいい、
なんてことはこれっぽっちも思っていなくて、
どこまでも商店街が主役、お店が主役、この街に訪れる人たちが主役。
今回僕たちがプロデュースしたイベントは、飽くまでも人と人を繋げる接着剤、
あるいは本来の味の魅力を引き立てる調味料のようなものです。
これからも、僕らの仕事である演劇を活用して、
僕らが守りたいと思っている大切な場所の魅力を広めていきたいと思います!
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そして、大変個人的な心境で恐縮ですが、
この街に住んでいてよかったなあと思う瞬間がいっぱいあった2日間でした。

(写真:山村厳さん撮影)
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今月のお題「『SHOW店街でショー!』のオススメプラン☆」 [きゅ~め~る今月のお題]

毎月9日は、「9」と「キュー」で、「キューブリックの日」。
劇団メルマガ「きゅ~め~る」の配信日、毎月9日は、
各自が持っているブログで全員が同じお題で記事を書く、という
かれこれ11年も続いている企画なんです。

「演劇のチカラで街を遊園地に!」というテーマで活動を続けるシアターキューブリックが、
地元の有名商店街と組んで今年も2日間のイベントを開催します!
その名も『キラキラ橘☆SHOW店街でショー!』。コテコテのネーミングですね。
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2日間のあいだにあっちこっちで出し物が目白押し!
どれも是非参加して楽しんでほしいと思いますが、
それでも忘れずに絶対に体感してほしいことがあります。

「商店街」の空気を感じてみてください。

商店街って、単に道にお店が並んでいて、馴染みのない人には
「ショッピングモールの個人商店版で屋根がない版」だろ?
って思われそうなのですが、まったく違います。
「モノ」ではなくて「人」が主役の場所なんです。
買い物を通して、お店の人とお客さんがしあわせを渡し合う、そんな場所。
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陽気の話をしたり、お互いの体調を気遣いあったり、
駆けてゆく見知らぬ子供の心配をしたり、時には親みたいに叱ったり。
僕はこんなことが当たり前の墨田区で育ちました。
大人になるにつれ、それが日本全国当たり前ではないことを知って、びっくりして、
そして自分の仕事を活用しながら、
このような人のぬくもりをもっと知ってほしいと思うようになりました。

区外から訪れた人から、よく聞く感想なのですが、
「墨田区の商店の人は、顔がこわい」。
ずっとここで暮らしてきた僕はこれも当たり前だったので、
まったく気づきませんでしたが、言われてみればそうかも知れません。
おそらく、商店街の存在は地域の安全維持の役割も兼ねていて、
地元にとっての「優しくあたたかい目」が、
地元の人ではない方から見ると、「きつい目」になっているのかも知れないです。
観光地の商店街とは違い、地元の人々の生活の場だったりもするので、
一見話しかけづらいかも知れませんが、だいたいの人は気さくです。
この「壁をひとつ越えた感じ」を体感してもらうのも、この街の魅力。

ですが、商店街の空気の感じ方は、みなさんそれぞれです。
「人が主役」の場所ですから、地元の人、地元でない人関係なく、みんな主役です。
自分の街だと思って、自分の家の中をゆくように、ぶらぶらしてみてくださいね!

『キラキラ橘☆SHOW店街でショー!』の特設サイトはこちら!
各イベントの紹介、スケジュール、開催場所などご確認ください!
http://qublic.net/showtengaideshow/

お待ちしておりまーす!

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光を照らす人、岡村孝子さん。 [日々雑録]

よく巷のお仕事の電話やメールにて、
「いつも大変お世話になっております」というワードがしばしば登場します。
僕も岡村孝子さんには大変お世話になっている、といえば、間違いなくそうなのですが、
もはや、緑川憲仁という人間が、舞台の劇作家として、
素敵な仲間やお客さんに日々恵まれ、
素敵なお仕事に日々恵まれ、
こうして息を吸って生きていられるのは、まぎれもなく、
10代の頃から僕を今の場所へと導いてくれた岡村孝子さんのおかげで、
どんな言葉を尽くしてお礼を言えばよいのか、、、

おそらくそれに足る言葉はどこにも存在しない気がします。
それはきっと、僕が死ぬまでそうなのだと、ゆうべは眠れなくなりました。
はたして「今日も眠れない」のかな……。


劇作家としての細胞のもと、岡村孝子さん。
この方の音楽と出会ってから28年、孝子さんはずっと光を照らし続けてくれました。

「いくつの悲しみは今日への道しるべ」。

夢をあきらめず頑張り続けることが、今は唯一つのご恩返しだと考えています。

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※岡村孝子さんのご了解をいただいて掲載しています。

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光と笑顔あふれる庭で [日々雑録]

「物書きとしての細胞は、岡村孝子さんが紡ぐ言葉と旋律で出来ている」。
これまで、このブログでも何度か、この言葉を書いていますが、
それほどに、緑川自身のアイデンティティーを考えたとき、
親の存在にも劣らない岡村孝子さんの音楽。
何しろ、14歳という多感な時代から常に僕の人生に伴奏してくれている音楽。
そうなっても何ら不思議はありません。
シアターキューブリックでは、5年前の公演『葡萄酒いろのミストラル』で、
「ミストラル」という曲を公式テーマ曲として拝借したこともありましたし、
そもそも、僕が創る全作品のどこかしらに、
必ず岡村孝子さんのエッセンスが摺り込まれているはずです。摺り込まれています。
そんな岡村孝子さんのコンサートがちょうど香川で行なわれるので、行ってまいりました。
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緑色のことでんに乗って、「学園通り」というかわいい名前の駅で降り、
すぐ目の前にある立派な劇場、「三木町文化交流プラザ」へ。



岡村孝子さんの「T’s GARDEN」という企画の視点はちょっと面白くて、
ふつうなら有名アーティストの地方公演というのは
大阪・福岡などの大都市で行なわれることが多いのですが、
「あなたの街で岡村孝子がパーティーを開くので気軽に遊びに来てください」
といったスタンスで全国各地をめぐっているアットホームなコンサート。
とても岡村孝子さんらしい企画です。
今回、香川県の三木町ということで、
東京人の僕にとっては、まったく「あなたの街」ではないんですが(笑)、
ちゃっかり参加させていただきました。
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遠方の公演を鑑賞する、というのを僕は今回初めて経験したのですが、
その人にとっては会場までの道のり、その後の道のり全部が「旅」ですから、
自然と、コンサート前後の時間全部が、音楽とミックスされるんですね。
すると、その地域の風景と、自分が好きな音楽が合わさり、
その人にとって、その街が特別な場所になる……。

これはすごいことです。
音楽というのは、自分が過ごした「時代」を思い出す、とよく言いますが、
時代だけではなく、「場所」「まち」をも思い出させるアイテムなんですね。


会場に詰めかけたお客さんは、
岡村孝子さんのコンサート初体験の人がほとんどらしかったのですが、
思い思いに楽しまれていて、その皆さんの顔をついつい見て、
僕までほくほくしてしまいました(笑)。
お客さんを見てしまうのは、僕の癖、というか職業病のようです。

地方の町で開かれるコンサートの何とも言えぬあたたかさ、病みつきになりそうです。
素敵なひとときをありがとうございましたー!!

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あなたにめぐりあう旅へ [日々雑録]

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11日に終わったばかりの公演の余韻も冷めぬまま、
四国へ向かう寝台特急に揺られ、降り立った2年ぶりの高松。
10年前から数えきれないくらい訪れている四国ですので、
地図がなくても迷うことはありません。


香川県です、まずはとにかく「うどん」に会いに行きます。

香川県内のうどん屋さんは、早朝に始まってお昼過ぎには閉まってしまうお店がほとんど。
そのため、「朝に高松到着」ということは、かなり選択肢が多い状態なわけです。
高松の中心地にもいくつも名店がありますが、ここはこだわらずにはいられません。
というわけで行ってまいりました、「山越うどん」!
このお店はマイカーがないと、なかなか厳しい場所にあります。
電車だと最寄駅はことでんの綾川駅、そこからバスです。
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山越うどんのうどんは、麺のコシの強さと滑らかさがとにかくすごい!
そして、素敵なお庭で、空と緑を眺めながら食べられるというのが、またいいんです。
香川県はおいしいうどん屋さんばかりですので、
「どこのうどんが一番おいしい?」という質問には答えられませんが、
「どこのうどんが好き?」という質問には、食い気味で「山越うどん!」と返します。
みなさんもぜひ一度行ってみてください。
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そして、「広い風景のなかに一人いる」自分に会いにいきたくなりました。
ことでんで高松に戻り、高松港からふらりと乗ったフェリーは小豆島行き。
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瀬戸内海もすっかり秋で、海風もなかなかの冷たさでしたが、
「広い風景のなかに一人いる」自分は、あたたかい船室ではなく甲板にいるはず。
目を閉じ、耳を澄まし、海風を頬に感じながら、
自分自身のカラダとココロを、まっさらな気持ちで確かめるひととき。
体は冷えましたが、その分だけ、心が楽になるのが不思議。
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これまでは直島ばかり行っていたので、今日が初上陸の小豆島。
オリーブと「二十四の瞳」で有名な小豆島。
見どころがたくさんある島ですが、
オリーブ公園の高台から、穏やかな瀬戸内海をひたすらボーっと眺めます。
僕の目的は広い風景のなかで、ただ居ること。
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まったく何もせず、きっと何かを考えてはいたのでしょうが、
これといって何も考えず、「自分が居る」ということを、ただただ感じたのでした。
しかし、今日のこの時間が、この先どのように活きてくるのかは分かりません。
これまで僕は、この「一人」の時間で、家族や仲間やチームや自分の仕事を、
ふだんと違う距離で感じながら、次の手を、そして次の作品を考えてきました。
平たくいうと、「濃い酸素を吸う」ような大切な時間。



そして、シアターキューブリックで香川県といえば、『ことでんスリーナイン』です。

2015年、90年の歴史を持つことでんのレトロ車両を専用劇場に、
ローカル鉄道演劇第4弾として上演した作品です。
木のぬくもりに包まれた、生きものみたいな電車に揺られて、
物語の舞台となった滝宮へ。
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近代産業遺産にもなっている駅舎は、今も町のシンボル。
「古くて、お洒落で、重厚で、かわいい」、ってすごい。
僕もこんなおじいちゃんになりたいものです(笑)。


駅の近くにあるお菓子屋さん「ほくろ屋」は、
作品のまちあるき部分でコラボレートしたお店です。
滝宮名物の「ぷりんどらやき」が有名で、
今でもシアターキューブリックのお客さんのあいだで話題にのぼります。
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2年ぶりにお会いするほくろ屋さんのご主人。
まるでタイムトラベルしたように何も変わっていませんでした!
2年前に初めてお会いした方なのに、
ふるさとの幼馴染みに会うような気持ち。
嬉しくて目が潤みました。
今度はみんなで遊びに来ます!とガッチリ握手をしてさよならしました。
切なくて目が潤みました。


そしてまた、おなじみのことでんに揺られながら、高松へ。
まだまだ旅は続きます。

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『寺島浴場の怪人』閉幕。 [劇団のこと]

「演劇のチカラで街を遊園地に!」というスローガンのもと、
劇団の地元墨田区の銭湯「寺島浴場」を劇場にした銭湯演劇、
『寺島浴場の怪人』は10/11無事千穐楽の幕を下ろすことができました。
主催の隅田川 森羅万象 墨に夢 実行委員会様、
共催の墨田区様および墨田区文化振興財団の皆様、
ご後援くださった墨田区観光協会、墨田区浴場組合、アサヒグループホールディングスの皆様、
会場をご提供くださった寺島浴場様、
音楽を監修してくださった藤井いちろう様、
いつもチカラを貸してくださっているスタッフの皆様、地元墨田区の皆様、
出演してくれたキャストのみんな、劇団メンバーのみんな、
そしてご来場くださった多くの皆様、遠くからご声援くださった多くの皆様、
本当にありがとうございました。心よりお礼を申し上げます。
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全ステージのチケットが完売となり、
ご覧になりたいと思ってくださった皆様にご覧いただくことが叶わず、
作り手としてはとても切なく、そして主催としてとても申し訳なく思っております。
お芝居は、その時一度しかないもの。終われば、絶対に生で観ることができません。
ですから、観たいと思ってくれた方々全員に観ていただかなければならない、
僕は劇団の旗揚げの時からそう思ってきました。
その覚悟を遂行することができなかった悔しさはとても強く今も感じています。
それは今後の劇団活動に必ず活かしていきたいと思っています。


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この公演は2010年、劇団がホームグラウンドを墨田区に移しての第一弾として、
地元墨田区曳舟の銭湯「曳舟湯」さんを舞台に上演した作品のリメイク公演でした。
しかし、新しい会場、ほぼ新しいキャストで上演するとなったら、焼き直しになるはずもなく、
日々新しい発見が連続する、シアターキューブリックの新しい作品となりました。
劇団員のキャストが3名だけ、銭湯演劇経験者は2名だけ、という心細さがありましたが、
却ってそのことで、一つひとつのプロセスを確認しながら進むことができた気がします。
そして集まってくれたキャストのみんなも、まるで「あて書き」で書かれた役みたいに、
それぞれのキャラクターを自分のものにしてくれました、それはもう驚くくらいに。
制作サイドは出演していない劇団メンバーが、
そしてふだんからシアターキューブリックを応援してくれているみんなが支えてくれました。
たとえキャストに入っている劇団メンバーが少なくとも、
これまで作品づくりで大切にしてきたことに向き合い、公演全体でチームプレーを貫徹すれば、
いつも通りのシアターキューブリックの公演になるということが分かりました。



そして今回、胸が震えるような奇跡がありました。

7年前に上演した銭湯「曳舟湯」は、実はその後廃業となり、立派な母屋も解体、
周辺は当時の面影が残らないほどに再開発されました。
現在、そのエリアに1010(いちまる)カフェというカフェがありまして。
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実はこのカフェ、曳舟湯のご家族の皆さんが経営されているお店なんです。
そして今回の公演中打ち上げをそのカフェで行なうことができたんです。
もちろんお料理は、曳舟湯のご主人&奥さん自慢の品々。

建物がなくなってしまった5年前は、大変大変淋しい思いをしたものですが、
建物がなくなってもなお、こうして絆が結ばれていることをあらためて思い知り、
生きていてよかった、演劇を続けていてよかった、
地元の皆さんと一つの作品を創ることができてよかった、心からそう思いました。
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『寺島浴場の怪人』は終わりましたが、寺島浴場は墨田区に在り続けます。
下町情緒全開の街、東向島にあります。
この街には、不思議と、みなさんが懐かしいと感じる風景がそこかしこにあります。
ぜひ心とカラダをあたために、墨田区、そして寺島浴場へお出かけください。
シアターキューブリックはこれからも「演劇のチカラで街を遊園地に!」のテーマで
時に迷ったり、立ち止まったりしながら、道なき未知を進んでまいります。
『寺島浴場の怪人』は間違いなく、そんな僕たちの一里塚になりました。
本当にありがとうございました。
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今月のお題「東向島イチオシのお店☆」 [きゅ~め~る今月のお題]

毎月9日は、「9」と「キュー」で、「キューブリックの日」。
劇団メルマガ「きゅ~め~る」の配信日、毎月9日は、
各自が持っているブログで全員が同じお題で記事を書く、という
かれこれ11年も続いている企画なんです。

今月のお題は、公演が行われている寺島浴場がある町、東向島をクローズアップ!
ズバリ「東向島イチオシのお店☆」!


東向島、僕にとってはザ・地元です。
オススメのお店はもちろん数多くありますが、
劇団内で今月のブログテーマが決定した翌朝には、
早くもこのお店に直オファーしておりましたよ。というわけで……
シアターキューブリック緑川といえば、はい、「東向島珈琲店」です。
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墨田区の東向島という町はとても範囲が広くて、
東武線の「曳舟駅」「東向島駅」両方にまたがっています。
東向島珈琲店も、最寄駅で言えば曳舟駅になるのですが、
お店の名前にも東向島が付いていますし、
今回の公演会場・寺島浴場まで水戸街道一本なので、
迷わずこのお店を紹介することにしました~。



今までも、何人もの知り合いにこのお店をオススメしてきましたが、
僕の口からは、ほぼ必ずこの言葉が出てきます。

「ちょうどいい」。

東向島珈琲店。いろんなことが、ちょうどいいんです。
世の中には、おしゃれな喫茶店はたくさんあります。
東向島珈琲店もおしゃれな空間ですが、
かといっておしゃれ過ぎません、ちょうどいいんです。
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時間帯や曜日、お天気によって、賑やかな時もあれば静かな時もあるし、
いかにもカフェめぐりが好きそうな人も来れば、
僕のような地元人間もたくさんいます。
おしゃべりしたい時には店員さんが話相手になってくれるし、
何かに没頭したい時には心ゆくまで「放っておいて」くれます。


あと、なぜか必ずマスターのキャラクターも紹介していますね。
このお店のマスターの井奈波康貴さん。ハンサム。
この方が目指すおもてなしに、お客もスタッフも自然と巻き込まれている気がします。
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井奈波さんも僕とおなじく墨田区出身、つまり下町生まれ。
この方も下町特有の、人とのちょうどよい距離感を肌で感じながら育ったのでしょうか、
お洒落な空間でありつつも、古い下町の空気そのままの雰囲気のお店なんです。
お店の方向性は、当然ながらマスターの井奈波さんから出発していますが、
スタッフの皆さんやお客も、お店の要素の一部をどこかしら担っていて、
「みんなでお店をかたちづくっている」、お店にいるとそんな感じがします。


このお店、おもしろいのが、座るテーブルによって感じる雰囲気が全然違うんです。
お店は水戸街道という大通りに面していて、
エントランスやキッチンがあるエリアは大きな窓が印象的な開放的な雰囲気。
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それが数段の階段を昇ると(←階段があるのも楽しいです)、ふかふかのソファ席。
傍らには印刷屋さんの機械が無造作に置かれています。
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映画やドラマの撮影などでも何度も登場したソファです。
緑川もこの席でインタビューを受けたりしました。(写真は「みんてつ」広報誌より)
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※この時に掲載していただいたインタビュー記事はこちらです。



さらにソファ席のエリアを抜けると、高原のカフェのような奥まったエリア。
こちらは裏の児童公園に面していて、子供たちが遊ぶ姿が見えます。
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僕が執筆する時には、このエリアにある大きなテーブルの席にかけて、
窓の外の公園の緑を感じながら、パソコンや本を開いています。
僕はこの大テーブルの木の質感がだいすきで、筆が進む時も、進まない時も、
どんな僕でも受け入れてもらえているような気持ちになります。
執筆作業というのは、ほとんどの時間が悩んでいる時間で、
キーボードを叩いている、いかにも脚本を書いている時間は、全作業の5%くらい。
だから、もやもやと悩んで、テーブルのこの木を触っているだけ、
というほうが正しいのかも知れません。
という感じで、2007年以降のシアターキューブリックのほとんどの脚本は、
このお店で生まれています。

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そう、このお店は2007年に開業して今年で10年になるんですねー。
もっと昔からあるみたいな気分で、初めてこのお店に来た時の記憶とかはありません。
気づいたら、僕の暮らしに欠かせないお店になっていました。



そして、この10年間、僕の心を掴んで離さないものが2つあります。

一つは透明感あふれる水出しアイスコーヒー。
全国を旅してきて、おいしい水が湧く場所でのおいしい珈琲はたくさんありましたが、
そうした珈琲にまったく引けを取らない、きりっとした苦味のあるアイスコーヒー。
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頭を使う作業をしている時、このコーヒーは、覚醒と癒しの両方をもたらしてくれます。
僕のカラダの中を濾過して、細胞に沁みわたって、そして作品の言葉が生み出されます。
もしかして緑川の作品のもとを辿っていくと、
その正体は東向島珈琲店の水出しアイスコーヒーなのかも知れません(笑)。


それから二つ目は、このお店のいちばん有名なメニュー「レアチーズ」!
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おまんじゅうに見えますが、レアチーズです。
初めて注文した人は、ほぼ全員この見た目にびっくりしていますね。
でも驚くのは早い。一口食べた時の、この感動!
食感がふんわりしているので、ケーキのもとをつまみぐいしている子供の気分です。
残念ながら、僕の駄文ではこのレアチーズの魅力は表現できません。
ぜひご注文ください。
この10年間でレアチーズを何百個食べているか分かりませんが(笑)、
ほぼ全部、写真に収めているくらい、ついつい写真を撮りたくなるかわいらしさです。


シアターキューブリック17年の歴史のうち、後半の10年は
東向島珈琲店とともに歩んできたといってもいいくらい、
けっして切り離して考えることができない墨田区の重要スポット「東向島珈琲店」。
僕が演劇という仕事を通して体現したい世界の理想像は、
きっとこのお店のこの雰囲気なんだろうなと、時々思ったりします。
僕にとって東向島珈琲店は、バイブルのような、学校のような、
家のような、逃げ込み寺のような、なんというか自分の一部なんです。
墨田区にいらした際は、ぜひ行ってみてください。きっと、ちょうどいいですよ。
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シアターキューブリックホームページの劇団員紹介「市場法子」のロケ地は、
まさに東向島珈琲店の大テーブルです。
http://qublic.net/member/ichiba.html


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東向島珈琲店
東京都墨田区東向島1-34-7
TEL/FAX:03-3612-4178
定休日 水曜日
ホームページ http://www.cfc101.com/


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『寺島浴場の怪人』開幕します! [劇団のこと]

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先々週から始まった『寺島浴場の怪人』の稽古期間は、あっという間に終わりました。
7年前に書きおろした脚本のリメイク作品とはいえ、会場は違う銭湯ですので、
かなり書き変えた部分も多く、前回公演の経験者も僅か2人なので、
ほぼ新作と言っても過言ではない感触の稽古場でした。
それでありながら、やはり再演のメリットも確実にあって、
僕自身ですら初演で発見できなかった多くの解釈が眠っている作品でした。
最終稽古となった今日もまた新たな発見があり、
脚本のなかに登場する人物たちは、架空とはいえ、れっきとした人格があり、
それぞれにいろいろな葛藤を秘めているのだなあということを感じました。


今回初めてご一緒する小名木美里さん、蜂谷佳純さん、塚野あゆみさん、
まるでこの人たちに演じてもらうために「あて書き」したのではないかと思われるくらい、
キャラクターばっちり、三者三様の個性が満開です。

そしてシアターキューブリック常連の客演、工藤理穂とささきくみこさん。
『誰ガタメノ剣』『長宗我部珈琲店』『宇宙をskipする時間』
『てのひらに眠るプラネタリウム』『七人みさき』に出演してくれた工藤理穂は、
緑川が紡ぐ、けっしてストレートではない、難解な言葉を繰り出す人物が多数出てくる物語を、
主演俳優として、静かに、深く、掘り下げてくれています。

『宇宙をskipする時間』『七人みさき』、そしてローカル鉄道演劇の
『ひたちなか海浜鉄道スリーナイン』に出演してくれた、ささきくみこさん。
毎度、空間全体を巻き込む軽妙なリズムで、お芝居の軸を作ってくれています。

片山耀将、千田剛士、榎本悟のシアターキューブリック男優陣は、
僕が描く作品世界の根底に常にべったりとこびりついている「男のカッコ悪さ」を
今回もリアルに表現してくれています。(あるいは彼らそのまんまなのかも知れませんが(笑))。

シアターキューブリックは、時代劇や鉄道演劇も含めて、
大人が楽しめる「ファンタジー」の物語を作り続けてきました。
そんな僕たちが下町の銭湯で紡ぎ出す音楽劇。
銭湯というザ・日常空間で、この日だけの非日常を心ゆくまで楽しんでほしいと思います。


そして、ステージによっては観劇の前に東向島のまちあるきを行なう回があります。
ただ単純に、会場周辺のまちをご案内するのではなくて、
お芝居で繰り広げられる世界を、みなさんの足で歩いて探検して、
お客さんの体全部でお芝居の世界を堪能してほしい、という時間です。
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寺島浴場周辺は、かつては「寺島町」「玉ノ井」と呼ばれた地域で、
戦前は歓楽街として賑わった歴史があり、
街のあちこちにこの地域が歩んできた歴史の痕跡が残っています。
この街の匂いを感じてから観る『寺島浴場の怪人』は、
おそらく皆さんの細胞の、より深いところに何かを訴えかけるに違いありません。

そして、お芝居が終わった30分後には寺島浴場がオープン。
下町のお風呂に浸かって、心も体もリフレッシュして、
まるまる一日、下町情緒の魅力を楽しんでほしいと思います!

いよいよ9月30日。7年ぶりの銭湯演劇『寺島浴場の怪人』開幕です!!
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