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劇団熱血天使さん『ヒミコ』観劇。 [日々雑録]

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いつでも初めて観る劇団のお芝居はドキドキです。
新百合ヶ丘アルテリオ小劇場、東京の東側の人間にとってはちょっと遠い劇場です。
ということで、せっかくですので、小田急ロマンスカーで。


劇団熱血天使さん公演『ヒミコ』。
先日ご縁があってお会いした菅沼萌恵さんが
中心メンバーとして活躍されている、結成10周年を迎える若手劇団です。
日本の歴史を題材にした作品で、小田原・萩・秋田など、
近年では地方公演も積極的に行なっているようです。
このあたり、シアターキューブリックと近い活動スタイルですね。
ウチの場合は時代モノも、ローカル鉄道演劇も、創作のファンタジーも、
いろんな作品をコロコロと広く浅くやっていますが、
熱血天使さんは、日本の歴史の魅力を伝えるというテーマで、
題材を深く掘り下げて、歴史ファンをも唸らせる中味の濃い歴史作品を創られています。


今回の作品は「邪馬台国」。

作家の視点としては、かなりハードル高いとこ行ったなあという感じです。
だって、史料がほとんどないですもの(笑)
が、たとえ史料が乏しくても、「人の営みがあった」という現代との共通点があります。
まだ公演期間中ですので、詳しいことは書けませんが、
「歴史への畏敬」と「生命への礼賛」を感じる
演出要素盛りだくさんの歴史スペクタクルでした。

またダンス振付ではシアターキューブリックの『誰ガタメノ剣』に出演してくれた
森澤碧音ちゃんが参加していて、ロビーで久々に元気な顔を見られました!
びっくりしたのと、嬉しかったのとで、写真撮り忘れました~。

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▲キャストの菅沼萌恵さんと、終演後ロビーにて。

劇団の中枢メンバーでもある菅沼さんは、今回の作品では原案を担当されていて、
先日お会いした時も、人や時代の深い部分を静かに観察する方だなあと、
まるで昔からの知り合いみたいな気持ちで、とても楽しくお話をさせてもらいました。
そして、僕自身が自分の活動について振り返ることができる貴重な時間を頂きました。
人としての美しいこころも、覆い隠したくなるようなネガティブな部分も、
あらゆる葛藤を万華鏡のように内包した、
泥の中に咲く蓮の花を思わせる素敵な女優さんです。


今回の公演は今週末1/14まで上演しています。ぜひ!
劇団熱血天使さんホームページはこちら
http://kokorozashi-jp.wixsite.com/nekketsutenshi


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今月のお題「今年の一文字」 [きゅ~め~る今月のお題]

毎月9日は「キューブリック」の日ということで、
劇団メルマガきゅ~め~るの配信日であり、
この日はメンバーが決められたお題について、それぞれのブログで語ろう!
という日になっています。
もう10年以上続く伝統のコーナー、いいマンネリ感が出てきていますが、
今月は今年最初のメルマガということで、お題はズバリ「今年の一文字」です!
去年もたしかコレでしたね(笑)


2017年の緑川の一文字は「自」でした。

シンプルに、まず「自」分が動く。
その結果は、すべて「自」分の責任によるもの。
年頭のブログを意識していたわけではありませんが、
けっこうこの抱負の通りに生きられた気がします。

そして2018年の緑川の一文字!一瞬で浮かびましたよ!


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待。


この一見、受動的な文字、「待」。
今、僕はこの心境です。
ついにここへ来たか、という感じです。

信長・秀吉・家康の「ほととぎす」の話ではありませんが、
若い頃は、「殺してしまえ」と言わんばかりに我武者羅で向こう見ずでした。
その後、なけなしの手練手管を覚えて「鳴かせてみせよう」になりました。
それが、去年の半ばあたりから、大きな心境の変化が起きました。
それが何によるものなのか、まだ自己分析が出来ていませんが、
今は「鳴くまで待とう」という言葉がよく分かります。


実は、いままで「家康さんは気長に待てる人」なんだなと思っていました。
かなり馬鹿者です。
きっと違うんですよね。

森羅万象、一人だけで完結することなど何ひとつなくて、
周囲のあらゆる現象や、人の気持ちが絡み合った結果、
真実が起きているのであって、
自分が出来るすべての手を尽くしたうえで、最後は「待つ」ということが、
きっと最良の方法なのだろう、という心境です。
徳川家康さんは、きっとそのように生き抜いたのではないでしょうか……。

なんだか自分の言葉じゃないみたいです。
何しろ、ここまで強引に生きてきた40年でしたから。

「待」という行為は、一見受動的で静かなものですが、
待つ前にあらゆる手を尽くす「行動」と一体のものなんだと思います。
仲間と、そして応援してくださっているお客さんと一緒に
最良のストーリーを創るために、行動し、そして「待」とうと思います。


あみんの『待つわ』は、いかにも関係ありそうですけれど、
今回はあまり関係がなさそうです(笑)
いや、ちょっとはあるのかな……?

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2018 年もよろしくお願いします [日々雑録]

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新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
3年にわたる厄年をどうやら無事に終えました。
人は一人で生きられるはずもなく、何事もなく厄年を終えることができたのも、
僕の人生に関わってくださるすべての皆様のおかげでしかありません。
もっと若い頃に、この道理に気づけていれば、もっと違う生き方ができたでしょうに、
けれども、遅まきながらここへ辿りつけた事は、何事にも替えがたい安堵であり喜びです。

「演劇のチカラで街を遊園地に!」というシアターキューブリックの活動理念、
「どこまでも、人が集う幸せを求めて。」というネビュラエクストラサポートの企業理念、
この2つの理念は、僕自身の人生のテーマといっても間違いではありません。
これらの理念が目指すものは、今後の日本にとって、
きっと大切になってくるだろうと感じている「新しい豊かさのかたち」です。
僕も含めて、まさに未知の世界への挑戦です。
進もうとしている道が正しいのか間違っているかなんて、ぜんぜん分かりません。
物があふれた好景気真っただ中の昭和末期に生まれ、
その価値観が崩れ去り、新しい価値観を求めて彷徨う平成時代を生きた僕が、
自身の経験と感覚を総動員して挑む、壮大な作品づくりです。

人と人が響き合うことなくして、先に進むことはできない、この作品づくり。
伝えること、つまり「こころ」と「言葉」を大切に、
小さな石を積み上げるように今年も進んでいきたいと思います。

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今年もありがとうございました。 [日々雑録]

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緑川憲仁のブログ「新とうふのかど」を読んでくださっている皆さん、
2017年もありがとうございました。
おかげさまで、今年も大変充実した一年を終えることができそうです。
2016年から今年にかけては、自身の人生を大きく変えることが多くありました。
自分の性格が物事に対して非常に「飽きっぽくない」ため、
一度始めたことや、一度好きになったことを、とことんまで追究する気質が、
この歳になって、芋づる式にオリジナリティを発揮し出したように感じます。

シアターキューブリックでは、2008年以降、日本の全国各地にて、
演劇と地域のコラボレーションをテーマにした公演や企画を打ってきました。
2008年、2009年は千葉県銚子市、2010年は岡山、
2011年は高知、そして岐阜県関ケ原町、2012年も関ケ原、
2013年は鹿児島、2014年は箱根、岐阜県本巣市、
2015年は香川県、2015年から2016年にかけて茨城県ひたちなか市。
すっかり、日本じゅうに僕らの故郷ができました。
同時に、シアターキューブリックは東京都墨田区を本拠にして、
演劇と地域のコラボレーションの活動を日常的に行なっていて、
これまで各地で学んだことを地元の活動に活かそうということをテーマに、
2017年は地元の銭湯を舞台にした7年ぶりの銭湯演劇と、
商店街を劇場に見立て、すみだのまち劇場化プロジェクトというものを行ないました。
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▲6月、墨田区主催「地域学セミナー」の講師を担当させていただきました。

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▲10月上演『寺島浴場の怪人』。

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▲11月、すみだのまち劇場化プロジェクト『キラキラ橘商店街でショー』。

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▲結成6周年を迎えた、帰ってきたキューピッドガールズ。

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▲12月、岐阜高専演劇部さんでのローカル鉄道演劇ワークショップ。

演劇業界ではちょっと変わった存在になっていますが、
演劇の新たな可能性を探りつつ、演劇の魅力を多くの人に広めたい、
という思いは日々着実に実を結び、
僕らの活動を面白がってくださったり、励みにしてくださったりする方も増えました。
僕らが演劇を始めた頃は、何年後には観客動員数何万人だとか、
何年後にはどの劇場で公演を打つだとか、
そういったことを活動のステイタスに感じていましたが、
僕らの周りでいつも笑ってくださる方々のおかげで、
そういったことよりも、もっともっと大切な活動の意義を見出すことができました。
もちろん「意義」だけでは活動を続けていくことはできません。
長期にわたり継続させていくには、社会的に自分たちのスタイルを確立させること。
劇団の代表としては、ここにしっかり取り組んでいかねばと思っています。
シアターキューブリックの活動に関わってくださったすべての皆様に感謝いたします。

2016年夏に専務に就いた舞台業界振興企業ネビュラエクストラサポート(Next)では、
今年7月から代表取締役の職を預かり、慣れない会社経営と格闘しています。
昨年は人材難をはじめ、噴出する問題をモグラたたきのように、とにかく潰していく日々でしたが、
今年は劇団☆新感線『髑髏城の七人』の会場での劇場業務などの新しい挑戦と、
社内改革を目指した制度整備などを並行的に推進し、
新体制の会社が目指す方向を仲間とより深いところで共有できる素地ができつつあります。
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▲豊洲の新劇場ステージアラウンド東京のロビーにて。

緑川の「作家脳」だけでは安定的な会社経営を行うことはできませんが、
僕がこのタイミングで会社の社長になった理由は、
この作家脳が必要とされているからだ、という感触もはっきりと感じています。
「社員の生活を守り、業界や社会に貢献する」という重い重い役割があればこそ、
溢れる遊びごころで仕事に取り組むことが大事だと確信しています。
来年は緑川の作家脳をもっと会社経営に活かし、必ず次のステージに上がります。


個人的には今年が後厄の年で、厄払いも何もしなかったわりには、
何事もなく厄を終えようとしています。
これも僕の周りで日々僕を支えてくれている人たちのおかげです。

物質的空間的に支えてくれている家族や仕事仲間や友人の存在はもとより、
精神的な成長や発見を促してくれる存在の大きさを思い知る一年でした。
「自分自身のルーツ」というものに関しては、
誰もが自分の細胞に染みついているがゆえに、通常、本人はとても鈍感になりがちで、
鈍感になることで、風化するように要素が薄まっていき、
同時に、身についた他の要素によって、結果、人は時とともに変質していくのだと思います。

僕の、物書きとしての細胞をかたちづくる、アーティスト岡村孝子さんの存在。
14歳で出会ったこの方の音楽は、その後の長い年月で僕の深いところまで染みつき、
緑川が発信する演劇作品に影響を与え続けながら、徐々に風化していました。
ですが、今年夏、絶妙なタイミングで、自分のルーツを体感する機会をいただき、
肉体は歳を重ねて老いることがあっても、魂は歳を取らないことに気づかされました。
42歳の緑川のなかに、14歳の少年が溌剌と生きていることを実感した瞬間でした。
今年のそれからは、この方の言葉から、ふたたび多くのことを学び続けています。
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▲10月、香川県三木町でのコンサート後、楽屋にて。
※岡村孝子さんのご了解をいただいて掲載しています。

これまでも「緑川は年齢不詳」と散々言われ続けてきましたが、
おそらく2018年以降もその路線は維持し、
それどころか、ますます不詳になっていくことと思います(笑)。
年々老いてゆく肉体のことも忘れることなく、
14歳の少年は元気溌剌と生きてまいります。

今年も一年ありがとうございました。
皆様、どうぞ、良いお年をお迎えください。

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「気」が光る場所へ ~岡村孝子さんクリスマス・ピクニック大阪公演~ [日々雑録]

神社へお詣りに行くと、境内の空気が光っているのを感じます。
それは神社に限ったことではなくて、喫茶店、旅館、ふつうのお店でも、
時々、空気がピカピカしているのを感じて、
そういう場所はだいたい緑川行きつけの場所になります。

共通して感じることは、「そこに集まる人の想いが通い合っている場所」。

先日、岡村孝子さんの東京公演のコンサートに出かけた時、
帰り道、旧知の仲間が「なんだか神社にお詣りした後の気分!」と言いました。
たしかに、舞台上にいる岡村孝子さんが祭神で、
僕たちはご利益をいただく参拝者みたいだなあという感じに
その時はその言葉を聞いていたのですが、
先週土曜日、ツアー千穐楽の大阪公演に参加してみると、
その言葉を聞いた時とは少し違うことを思いました。
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大阪では舞台上の岡村孝子さんと観客がそれぞれ左右の手であるように感じました。
僕は神道のことはよく分かりませんが、
拍手(かしわで)を行なう時、左右の手があって初めて音が出るように、
どちらが欠けても成立しない空間なんだと。
大阪公演サンケイホールブリーゼ3列目の席で堪能させてもらったことは、
彼女の音楽の世界観だけではなくて、
その音楽が生まれてくる本質部分の妙。
1000名を超える大勢の観客の小さな反応にも常にアンテナを立てて、
その人たちに伝えたい気持ちを、瞬間瞬間で厳選した言葉に乗せて、
丁寧に、美しく届け続けているのが、はっきりと感じられました。

「美しい言葉」。

これは、僕自身が生涯で大事にしていることのひとつです。
僕が岡村孝子さんの音楽を聴くきっかけとなった曲『はぐれそうな天使』。
14歳の僕は、この曲の言葉の美しさに打ちのめされました。
来生えつこさん作詞、来生たかおさん作曲の、この楽曲。
ほとんど全曲をご自身が作詞作曲している岡村孝子さんですが、
皮肉にも僕がハマったきっかけになった曲は、ご自身作詞ではない曲でした。

「恋したら 騒がしい風が吹き、
はぐれそうな天使が私の周りで慌ててる」

サビ冒頭の一節です。
繊細でひたむきなことこの上ない「詩」と、
この詩にこれ以上相応しい旋律は考えられない「音」。
そして、その二つを響かせている岡村孝子さんという「溶媒」。
世の中のことも、人生のことも、まだなんにも分からず、
どんなふうに生きていけばいいのか無自覚的不安のなかにあった
14歳の僕を、ふわりと掬い上げてくれた曲でした。


それから28年経っても、僕の大切なものはやっぱり「言葉」で、
岡村孝子さんが発信し続ける言葉もまた美しいものでした。
5年前、岡村孝子さんの「ミストラル」という曲を
シアターキューブリックの舞台作品でのテーマ曲としてお借りして以降、
岡村孝子さんのファンの方々とのご縁をいただくようになったのですが、
そのファンの方々が話す言葉もやっぱりきれいなんですよね。
そういう人々が集う劇場が、神社みたいに空気がピカピカするのも当然かも知れません。
なにしろ、みんなの「気」が光っていますからね。
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クリスマスを控えた12月23日の夜、この日のコンサートの最後の曲は
『世界中メリークリスマス』という曲でした。
僕にとっては自動涙腺崩壊装置のような曲です。
個人的感想ではありますが、際立った独自のメッセージというよりも、
むしろ、とても普遍的に、みんなのしあわせと、世界の平和を祈るクリスマスの歌。
12月15日のブログでも書きましたが、この曲の世界に絡まると、
子供の頃の感情を思い出し、その時代にタイムトラベルさせられます。
気を張っているちっぽけな自分を広い心で優しく包み込んでくれるようで、
張りつめた気持ちがポキッと、へし折られるんですかね。。
そして、ただ優しい気持ちに包まれて癒されるだけではなく、
静かに佇む「孤独」の影を必ず突き付けられます。

岡村孝子さんの真骨頂はきっとここだと思います。
幸せや、優しさや、ポジティビティのなかに、必ず「孤独」がいること。
その孤独は、人が生きていく時、誰もが絶対に逃れることができないもの。
岡村孝子自動涙腺崩壊装置の本質はここにある気がしています。
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僕もそうですが、誰もがこの人のように、
人を幸せな気持ちにさせられるものではありません。
けれども、僕でも「人の幸せを祈ることはできる」。
そんなことを教えられた気がします。

そして、そういう自分に近づいていけるよう、
見たいような、見たくないような、自分のなかにある孤独の淵を覗き込むため、
この方からはもっともっと多くのことを感じ取っていきたいと、あらためて思いました。

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神宮前駅跡から思うこと [日々雑録]

外国の人から見ると、日本の街の変化はものすごい速さであるらしいです。
たしかにヨーロッパの街は年季の入った風景が多いですからね。
ヨーロッパで150年前と変わらない場所なんてきっといっぱいあるでしょうけど、
東京で150年前と変わらない場所なんて、江戸城の内堀と寺社の一部くらい?
そもそも150年前って言ったら、ふつうにちょん髷結ってた時代なんですよね。
それも驚きですね。

さて、東京最初の地下鉄、銀座線が誕生してから90年が経つそうです。
そして、かつて表参道駅そばにあった神宮前駅跡が期間限定でライトアップされています。
神宮前駅は銀座線表参道駅ホームの渋谷寄りの場所にあった駅で、
昭和13年に出来た時は「青山六丁目」という名前でした。
その神宮前駅が、昭和47年に千代田線の表参道駅と統合するときに、
新設ホームが銀座寄りに新設されたので、この部分が旧ホームになったのだそうです。
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自分が生まれる前の東京の街の一部が、地下の片隅にそのまま残っているって、
とても幻想的で、とてもすごいことです。
ただでさえ、東京はどんどん新しくなっていってしまう街です。
まるで、口数の少ないお爺さん先生に、
「お前が住んでいる街はな、昔の人の夢と努力で作られた場所なんだよ…」
って教えられている感じがします。
ノスタルジーとか、そういう情緒的なことではなくて、
今、自分が暮らしている街は飽くまでも「借りもの」で、
必ずいつか次代の人たちに譲っていく時が来るということを、
昔の建築や、変わらずにいる場所は教えてくれている気がします。

「ゼロから創っては全部壊す」。
日本がその循環から卒業できたら、もっと素敵な国になっていくだろうなあと思うし、
きっと今、既にそういう方向に向かっていっているように思います。


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岡村孝子さんのクリスマス・ピクニック [日々雑録]

もう、この人のことを書くときには、これを言わずにいられない、
「僕の物書きとしての細胞は、この人の言葉と旋律でかたちづくられている」
岡村孝子さんのコンサート、クリスマス・ピクニックに行ってきました。

今回初めて知った蒲田駅前の劇場「アプリコ」。
蒲田にこんなに素敵な劇場があったんですね。
そして大劇場の客席の、なんと4列目という破壊的な席(笑)
繊細な息づかいまで、しっかりと堪能できる距離。
今回、席を取ってくださった方にはあらためて感謝感謝です。
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抜群な臨場感で聴く、珠玉の曲たちの素晴らしさはもちろんですが、
僕は岡村孝子さんのおしゃべりの時間が大好き。
ご本人はMCがあまり得意ではないと謙遜していらっしゃるんですけれど、
訥々としたおよそ飾り気のないおしゃべりを聴いていると、
舞台と客席の隔たりを忘れるほどに、ほんわかとした空気に包まれます。

僕自身が「言葉」を仕事にしているから感じることかも知れませんが、
岡村孝子さんがおしゃべりの中で言葉に込める誠実さは怖ろしいほどです。
たとえ発する言葉は同じでも、そこに込める気持ちの深さは浅くも深くもなりますし、
自分の気持ちを言葉で伝えようとした時、どういう言葉を選ぶか、という
岡村さんの言葉の選択に対する集中力と、妥協の無さ、怖ろしいです。
その誠実さが、こんな大空間を柔らかな空気に変えるのですから、
幸せ過ぎて、ヘンな話、深いため息が出てきます…。

「相手の前に今、自分がいる」、という、ふだん見落としがちな奇跡。
この奇跡を感じながら、相手の息づかいを拾い続けてゆく誠実さ。

僕も仕事柄、大勢の人に向けて言葉を発信する機会が多いのですが、
その場をどうにかうまくまとめよう、という邪念に翻弄される自分の軽さを思い知ります。
「自分が今、相手からどう見えているか?」なんて、
伝えたい気持ちが強ければ、本来考える必要の無いことです。
そこを気にしてしまうということは、伝えたい気持ちがまだ足りないということですね。
当然のことですが、今この瞬間は今しかありません。
岡村孝子さんの歌もおしゃべりも、その瞬間を極限まで大切にする、深い心を感じます。
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コンサートのラストナンバーでは、もうダメかと思いました(笑)
隣の席に知人がいなければ崩れていたかも知れません。
音楽を聴いていて、切なくて涙が出るということはよくありますが、
「旋律が幸せ過ぎて泣く」ということがあるのですね。恐るべしです。

そしてこの余韻は大変しぶとく、明くる日の蒲団の中でもまだ続いていて、
僕は一人前の中年ですが、蒲団の中で泣きましたとも。

そしたら、その昔、蒲団の中で泣いた夜のことを思い出しました。
小学校高学年の、これもちょうどクリスマスの夜のことです。
もう、自分の親がサンタさんなんだってことに気づいていた年頃です。
クリスマスイブの晩に、理由は忘れてしまいましたが、親と喧嘩になってしまい、
今年はイヤなクリスマスになっちゃったなあって思っていました。
蒲団に入って小一時間すると、母親がそーっと枕元にやってきて、
ガサッと何やら包みを置くような音がして、またそーっと部屋を出ていきました。
蒲団をかぶっていた僕は、その音が何なのかを察して、
申し訳なかったからなのか、嬉しかったからなのか、
自分の気持ちがよく分からないまま、蒲団の中でとりあえず泣きました。
ちっぽけな自分と、愛されている自分、両方を同時に感じたのかも知れません。
このコンサートの余韻は、昔のそんな出来事とリンクする、とても心あたたまるものでした。

この日来ていた多くのお客さんも、こんなふうに自分の思い出と合わせながら、
大切な人や、大切な時間に思いを馳せていたのかも知れません。
会場中、とてもとても幸せそうな顔がいっぱいでした。


ダメですね、お酒が入っているわけでもないのに語ってしまいました。
次は大阪千穐楽。3列目。自分が心配です(笑)
そしてさらなる素晴らしい歌声が楽しみです。


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ほしあいめみちゃん [日々雑録]

岐阜からの帰り、僕らキューブリックメンバーは名古屋駅から新幹線に乗るので、
ちょっとの時間でもいいから会いたい、この人を呼び出しました。
おもに東海圏で活躍中の女優、ほしあいめみちゃん。
最近ではテレビのグルメリポーターもしています。
たしかに、とてもおいしそうに食べる人です(笑)
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キューブリックには一昨年『ことでんスリーナイン』のヒロインとして参加してくれました。
初めて会った日から、めみちゃんとは必ず一緒に何かやるだろうなあって思ってました。
知り合ってからの年数もそれほど長くないし、
作品も一回しか一緒にやってないんだけれど、
ものすごく昔からの知り合いみたいな感じの人。
会ったらいっぱい話そうと思っていたんだけど、
いざ会ってみると、一緒にいるだけでじゅうぶんに思ってしまう。


東京と名古屋の距離の遠さが、いつももどかしいんだけど、
いつでもそんなハードルは飛び越せるくらい、お互いを近くに感じてる。
これから先、いくつ一緒に作品を作れるかな。
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岐阜の若者たちと演劇やってきました! [日々雑録]

岐阜といえば、シアターキューブリックにとっては、
関ケ原東西武将隊、『島津の疾風』、『樽見鉄道スリーナイン』と、
まさに第二の故郷のような場所なのですが、
今回は岐阜高専演劇部の皆さんと演劇ワークショップをやってきました。
岐阜高専演劇部の皆さんとの出会いは3年前の鉄道演劇『樽見鉄道スリーナイン』。
この時に公演のサポートをしてくださったことをきっかけに
その後、はるばる東京までシアターキューブリックの公演を観に来てくれたり、
劇団メンバーが学校の文化祭に遊びに行ったりと、お付き合いが続いてきました。
そして今回は、僕らが出会うきっかけとなった鉄道演劇の稽古を体験してもらおう!
という趣旨のワークショップを企画しました。

岐阜市の郊外、本巣市にある岐阜工業高等専門学校までは樽見鉄道に乗って。
ちょうど大垣駅に停まっていたのは、公演で使わせていただいた車両でした。
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車内の吊り革がこんなかわいらしいデザインになっていました!
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ふだんは1ヵ月近い時間をかけて煮詰めてゆく公演の稽古。
わずか半日のワークショップをどういう時間にするべきか。
「ローカル鉄道演劇」という特異なスタイルのワークショップではありましたが、
行き着いたところは、やはり「演劇の楽しさを分かち合う」ということでした。
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経験や技術の話をすれば、当然ながら僕らのほうが豊富に決まっています。
俳優は、お客さんに丁寧に誠実にメッセージを届ける仕事である以上、
経験や技術は大変貴重なものです。
ただ、演劇の現場でもっとも大切なことは、「感情」です。
それは自分自身が自覚してコントロールできる感情もあれば、
無自覚的に氾濫する感情もあります。
特に後者の感情は、多感な10代20代の彼らの宝物。
それらの感情が、仲間との協働の方向へと向けられた時、
思いもよらない奇跡が起こります。
今回のワークショップの稽古場もそんな空間になりました。
彼らの潜在能力は計り知れないものがあります。
彼らと一緒に過ごした時間はほんの僅かであるはずなのに、
僕は心から彼らの変化や成長を嬉しく、そして頼もしく思いました。

きっと、彼らの中に、在りし日の自分を見ていたのだと思います。
ずーっと昔、自分もこうだった、と。
そして、そんな自分は今どこに行ったのか、と。
かつての僕は、けっして失われてしまったのではなくて、
自覚していない、自分自身のどこかに隠れているんです、きっと。
それを探したくて、僕はこういう時間を企画し、彼らに会いにいったような気がします。
プロの演劇人が高専生に演劇を教えに行くなんて、これっぽっちも思っていなくて、
むしろ彼らから教えられる、気づかされることだらけだった一日でした。
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経験を重ねたことが却って仇になり、「慣れ」から「惰性」へと落ちていったとき、
老いていようといなかろうと、人間はきっとダメになってゆくんだなあと、
キラキラ輝く彼らの目を見ながら、そんなことを思いました。

人生日々勉強。
僕も彼らに負けないよう、いつまでも挑戦を続けていきたいと思います。
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今月のお題「僕が冬にオススメする映画」 [きゅ~め~る今月のお題]

早いもので今年も最後の「9日」となりました。
毎月9日は、「9」と「キュー」で、「キューブリックの日」。
劇団メルマガ「きゅ~め~る」の配信日でもある毎月9日は、
各自が持っているブログでメンバー全員が同じお題で記事を書く、という
2006年から、かれこれ11年も続いている企画なんですよ~。

今月のお題は「冬にオススメする映画」です。
寅さんとか釣りバカ日誌とかがお正月休みの定番映画ですがね、
今年の僕は即答で「LA LA LAND」ですよ。

クリスマスに観ても、お正月に観ても、どっちでもイケます。
当然ながら洋画なんですけど、滑稽さや切ない感じがきめ細かくて、
日本人の感覚で観ていても自然に作品の世界に入っていけます。
そのうえ、エンターテインメントの要素も満載なので、ハッピーな気分になれます!
とにかくヒロインのエマ・ストーンさんがかわいい!!(表面だけじゃなくてね)

もはや「ホームシアター」でご覧になるしかありませんが、
ぜひ、おいしい食べ物、飲み物を用意して、観てみてください。
だいすきな映画です!
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